[営利的言論]
■営利的言論の自由
  (1)表現の自由として保障されるか⇒自己統治の価値がない?
22条説 営利的言論の自由は、民主政の過程になんら関係がない。従って、21条の表現の自由によってではなくて、22条の営業の自由に含まれる。
芦部説 営利的言論も国民の生活様式を訴えるものと捉えることが出来、一般の表現の自由との区別が付かない。
知る権利という観点からは、営利的言論も個人の自己実現に資する。

  (2)保障の程度・合理性審査基準
一般の表現活動と同等の厳格な基準によるとする説 営利的言論も、国民の知る権利を充足するものであるということを根拠とする。
緩和された基準によるとする説 表現の自由の重心は自己統治の価値にある。
広告の内容の真実性は客観的に判断出来る。
「明白かつ現在の危険のテスト」あるいは「LRAの基準」 内容規制の場合は「明白かつ現在の危険のテスト」、外形規制の場合は「LRAの基準」を用いる。
佐藤説 厳格性の緩和された審査基準が原則。直接的広告禁止の場合は厳格な審査基準。
セントラル=ハドソン・テスト
(米国判例法)
芦部説。
四段階の要件を全て充足した場合に営利的言論に対する制限が許されるとする説。

「セントラル=ハドソン・テスト」
(I) 営利的言論が合法的な内容であること。
(II) 公権力による規制目的が実質的内容を充足するものであること。
(III) 規制によって規制目的が達成されること。
(IV) 目的達成に必要以上に広汎な規制ではないこと。

  (3)問題となった事件