[ 物 権 ]
■物権
+■物権の概念
  @物権の意義、内容 債権との違い
  A一物一権主義の意義、内容、例外 物の⇒部、集合物は⇒個の物権の客体たりうるか、
   ⇒個の物に数個の物権が成立しうるか
   ※⇒物⇒権主義→⇒つの物権の排他性・⇒つの物権客体の独立性

[Table] 一物一権主義の意義
一物一権主義
┣━1排他性(一個の物には同一「内容」の物権は一つしか成立しない・支配の排他性)
┃
┃  関連:同一土地に抵当権と地上権設定・一筆の土地の共有(説によっては無関係 
┃  2の問題にはならない)
┃
┗━2物権と客体の一対一対応(一つの物権の客体は一個の物でなければならない・独立  
  ┃性・特定性・単一性)
  ┃*独立性・特定性がないと公示が困難になる→公示主義を全うさせる
    ┃
  ┣━@ 一個の物の一部分だけに物権は成立しない ※物の方が大きい場合
  ┃  例外:共有障壁の増築権(§231U)・地役権(§282U)・一筆の土地  
  ┃  の一部にも所有権成立(譲渡・時効取得)
    ┃
  ┗━A 数個の物の上に一つの物権の成立はありえないということ ※物権の方が大きい場合
     例外:抵当権の効力は従物に及ぶ(§370参照)・立木法(一括して目的に)・集合譲渡担保

+■物権的請求権
  @物権的請求権の根拠、性質、要件
  A誰が費用負担するか 行為請求権説、修正行為請求権説、認容請求権説、責任説など
   cf.行為請求権説も認容請求権説も弱点あり→修正

[Table] 物権的請求権
返還請求権目的物の引渡を求める権利( 占有回復請求権)
妨害排除請求権物権の内容の実現が 目的物の占有侵奪以外の方法で妨げられたときに、妨害者に対して妨害を排除することを請求する権利。
妨害予防請求権将来の侵害の予防請求

+■物権行為
  @§176の『意思表示』の意義、物権行為の独自性を認めるか
   /債権契約との関係は 有因説、無因説 
  A物権変動の効力発生時期 所有権移転時期は?
   cf.他人物売買の有効性、所有権移転と代金支払の同時履行関係の説明←独自性否定説では説明困難

■不動産物権
+■『対抗することを得ず』の意義
  @二重譲渡の法的構成 不完全物権変動説、公信力説等 cf.§176と177の理論的関係の説明
  A第三者から譲渡の承認の可否

+■『第三者』の意義
  @§177の『第三者』の範囲
   cf.判例通説:登記を要する物権変動無制限説→不当な結論を回避→『第三者』の範囲を制限
  A客観的要件 正当な利益説、対抗問題限定説/問題となる例 不動産賃借権者、⇒般債権者、差押権者、
   輾転譲渡の前々主、不法占拠者等
  B主観的要件 悪意者は排除されるか、背信的悪意者は排除されるか、背信的悪意者からの転得者は保護されるか
   cf.判例

[Table] 第三者の意義
「第三者」(177条)=意義が明らかではない
  ┃
    ↓
対抗要件制度の趣旨
 ┃┃
  ┃┗━自由競争関係にある者の間で優劣を決する
  ┃
  ↓
「第三者」= 登記の欠缺を主張する正当な利益を有する者のみ
        ┃
                ┣━悪意者 ○
                ┃
                ┗━背信的悪意者 ×

+■登記を必要とする物権変動
  @取消・解除と登記 取消・解除後の第三者を保護するための法的構成(§177説・§94U類推説)
  A時効取得と登記 判例理論とこれに対する批判(登記尊重説、占有尊重説、類型論)
  B相続と登記 共同相続、遺産分割、相続放棄、遺贈、死因贈与の場合
   cf.遺産分割=遡及効制限←→相続放棄=遡及効貫徹 の理由
  C登記名義を保有する土地譲受人の土地明渡請求の可否

+■不動産登記
  @登記請求権の発生原因 物権的登記請求権、物権変動的登記請求権、債権適当規制九件
   /登記引取請求権は認められるか

  A登記の有効要件 形式的要件、実質的要件
  B中間省略登記の有効性/中間者の登記抹消請求の可否
   cf.登記制度=現在の権利関係の公示機能・物権変動過程の忠実な反映
   cf.事後的評価と事前の請求の可否を区別
  C中間省略登記請求権は認められるか/中間者の協力なき場合の処理 債権者代位権の転用
  D仮登記の効力 順位保全効に本登記の対抗力も含まれるか

■動産物権
+■動産物権変動の対抗要件
  『第三者』の範囲 動産賃貸借における賃借人、寄託における受寄者は第三者か
   cf.判例 賃借人○ 受寄者×

+■動産の即時取得
  @即時取得(§192)の趣旨/公信力の原則の意義
  A要件(1) 動産であること 自動車も含まれるか(既登録、未登録の場合)
  B要件(2) 前主の無権限 前主の無権利のほか、無能力、無権代理、意思の欠缺の場合も含まれるか
  C要件(3) 取引行為 時効取得、相続、贈与も含まれるか
  D要件(4) 平穏・公然・善意・無過失 占有者に無過失も推定されるか
  E要件(5) 占有の開始 占有改定、指図による占有移転も含まれるか cf.結論の相違
  F効果 2年間(§193)の所有権者(原所有者説、即時取得者説)/回復請求権の法的請求 cf.それぞれの弱点

[Table] 占有改定と即時取得
占有改定 = 完全な引渡方法 

 V.S.━━━━━━━━→占有改定=占有移転の有無外形上不明確
                     ┃
他の引渡の方法                            ┃
    ┃                                    ↓
  ┃          占有改定によっては、即時取得できない
    ┃
    ┗━━→ 判例は指図による占有移転による即時取得は肯定


+■明認方法
  @意義、効力、具体例
  A明認方法相互間の優劣
  B明認方法と土地登記の優劣
  C立木所有権留保の土地譲渡に明認方法は必要か
  D移転登記のない土地に植裁された立木 §242但書類推の可否
  E土地と共に譲渡された立木の明認方法の公示力