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[動機の不法]

 「LSDを購入する目的で、消費者金融からお金を借りたなんていう場合の問題点って何かしら?もっとも、LSDなんかを買おうなんて考える自体が非常に問題だけど。」
 「まず、不法な法律行為は無効になるね(90条)。
消費者金融からお金を借りるっている金銭消費貸借契約自体は全く問題はないけど、借りたお金をLSDの購入にあてようって考えているから、その点は不法っていえる。
そういう不法な動機によって金銭消費貸借契約が無効になるのかってことだよね。」
 「そもそも、動機は法律行為の要素ではないわよね。だから、動機が不法ではあっても、その動機に基づいた法律行為自体は無効にはならないというのが原則ね。」
 「でもさぁ、不法な動機をもった取引を無効にしないということは、結果としては法が不法な結果に対して助力するっていうことになるよね。
だから、動機が外に対して表示されているような場合、例えば、消費者金融の窓口でLSDを買うのでお金を貸してくださいとか、そんなことはちょっと考えられないけど、そういうことを言っていたりしたら、金銭消費貸借契約も無効になると考えられるよね。」
 「LSDを買うから、なんて言う人がいるかなぁ?
まぁ、それはおいておいて、不法な動機はそれが表示された場合に限って法律行為が無効になると考えれば、取引の安全を不当に害することはないわね。」