[違法性の本質]

犯罪行為 → 刑罰によって禁圧する必要がある「悪い行為」である必要
                        ┃┃
                        ┃┃
                       違 法 性
                         ┃┃
刑法の目的=国民の利益保護 ━━━━━━━━━→ ┃┃
                         ┃┃
                 法益侵害及びその危険を生ぜしめる行為

 違法性とは、行為が法に違反すること、つまり法的に許されないことを意味します。
ここで、違法性の内容が問題になります。そもそも、刑法は国民の自由を奪うものですから、謙抑性と補充性が要請されます。そして、この謙抑性と補充性を実現するために、刑法の目的および機能は法益の保護に尽きると言えるでしょう。
 この点、刑法の機能として社会倫理維持を挙げる考え方もあります。しかし、今日の社会では価値観が多様化しているということを考慮すると、一定の倫理観を刑罰によって強制するということは全体主義に陥る危険性があり避けなければなりません。
 従って、違法性とは、法益侵害及びその危険を生ぜしめる行為ということが出来ます。