[ 手 形 理 論 ] ■手形理論 +■手形理論 @手形債務の発生時期に関する諸学説(手形交付の要否) +■権利外観理論 @意義、要件、適用範囲 A帰責性の内容 B外観への信頼の内容、法的根拠
手形=権利の流通のために考え出された技術的制度 ↑ ┃ ┗━→ 権利の移転 → 債権譲渡 ↓ 原因関係の瑕疵を譲受人が負担する危険 ↓ 権利の流通が妨げられる ↓ ∴手形は原因関係と無関係 ↓ ┏━━━無因証券性 ┃ ↓ 設権証券性:手形は手形を振り 出すことにより権 利発生
なぜ、手形の作成・振り出しによって権利が発生するのか? ↓ ∵約束手形の振り出し=(原因関係から離れた)「債務負担の意思表示」。 ↓ 意思表示(民法総則) ┃ ┣━ 瑕疵の不存在 ┗━ 行為能力の存在 ↓ 「意思表示の到達」(民97条)が必要。 意思表示が到達してはじめて手形上の権利が発生。
意思表示が到達してはじめて手形上の権利が発生。 ↓ 債務負担の意思表示が債権者に不到達 ↓ 右手形は権利未発生 → 盗人から譲り受けた者は権利主張出来ず ↓ ┏━━━権利の流通を損なう ┃ ↓(創造説) 債務者が手形面上に署名すれば、 それだけで権利が発生 ↓ 債務者が手形と認識しながら署 名すればこの段階で債務者は自 分自身に対して債務負担の意思 表示を行ったと考える。=民97条
手形は権利の流通を図るため ┃┃ ┃┣━ 無因性←原因関係とは無関係に ┃┗━ 設権性←手形の作成・交付によって手形上の権利が発生し ↓ ∴ 手形上権利内容→すべて手形面に記載された文言の みで判断されなくてはならない ┏━━━━━━━━━(文言性) ┃ ┃ ↓ 権利の内容を定めるに必要な事項が手形に不記載 ↓ 権利の流通を害することになる ↓ 「厳格な要式証券性」 法は75条で手形要件を法定し、これを充たさない 手形は「効力を有せず」と規定=厳格な取扱い これを厳格な要式証券性という。
手形上に曖昧な表現 ↓ 原因関係を調査して、そこからその意味を明らかに出来ず + 文言証券性 → 文言は客観的に解釈 = 「手形客観解釈の原則」 ┃ ┏━━━━━━━━━━┛ ┃ ↓ 手形を無効と解さざるを得ない ケースが増える可能性 ↓ 手形の流通を損なう危険性 ↓ 合理的に解釈すれば有効と解しうる場合 は有効とする必要性