管轄

全国各地にある、どの裁判所が当該事件を担当できるのかという問題がある。 これを管轄の問題という。 管轄とは、各裁判所間の事務分担の定めであると定義できる。

法定管轄・・・法律によって裁判権が配分される場合(4条)

  1. 職分管轄・・・裁判所の行う種々の作用をどの種類の裁判所に分担させるのかの問題 c.f.審級管轄
  2. 事物管轄・・・第一審民事訴訟事件の分担を簡易裁判所とするか地方裁判所とするかの問題である。
  3. 土地管轄・・・民事訴訟を、どの簡易裁判所、地方裁判所に提起したらよいかの問題、すなわち所在地を異にする同種の裁判所間の分担の定めの問題。
合意管轄・・・当事者の合意で発生する管轄(11条、13条)。
要件と方式
  1. 合意は第一審の裁判所に限定(11条1項)
  2. 法定管轄と異なること
  3. 一定の法律関係に基づく訴えに関するもの(11条2項)
応訴管轄・・・被告の応訴によって生じる管轄
要件と方式
  1. 合意は第一審の裁判所に限定(12条)
  2. 法定管轄と異なること
  3. 管轄違いの抗弁権を提出せずに本案について弁論し、あるいは弁論準備手続において申述したとき(12条)
指定管轄・・・法定管轄、合意管轄、応訴管轄でも管轄裁判所が定まらない場合に、当事者の申立によって、関係のある裁判所に共通する直近の上級裁判所が裁判所が裁判により定める管轄裁判所(10条)
要件と方式(いずれか)
  1. 管轄裁判所が法律上・事実上裁判権を行使できないとき(10条)
  2. 裁判所の管轄区域が明確でないために管轄裁判所が定まらないとき(10条)