[訴訟係属による時効の中断]
訴えの提起には、(1)除斥期間遵守の効力(民法201条)、(2)善意占有者の悪意擬制(民法189条)の他、(3)時効中断(民法147条、149条)が認められる。
この訴えの提起による時効中断の根拠として、時効制度の趣旨を権利者が権利の上に眠る者ではないことを示す権利者主張の態度であるとして、権利行使を行った時点において時効中断が認められるとする考え方もある(権利行使説)。
しかし、時効制度の趣旨は、永続した事実状態を尊重して、そのような事実状態を法律関係にまで高めるというところにある。
従って、権利関係の存否が判決によって確定され、継続した事実状態が法的に否定されるという点に訴えの提起による時効中断の効果の根拠を求めるべきであろう(権利確定説)。
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