第2編 第一審の訴訟手続

第1章 訴え

(訴え提起の方式)第133条  訴えの提起は、訴状を裁判所に提出してしなければならない。

 2 訴状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

 一 当事者及び法定代理人

 二 請求の趣旨及び原因

(証書真否確認の訴え)第134条  確認の訴えは、法律関係を証する書面の成立の真否を確定するためにも提起することができる。

(将来の給付の訴え)第135条  将来の給付を求める訴えは、あらかじめその請求をする必要がある場合に限り、提起することができる。

(請求の併合)第136条  数個の請求は、同種の訴訟手続による場合に限り、一の訴えですることができる。

(裁判長の訴状審査権)第137条  訴状が第133条第二項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。民事訴訟費用等に関する法律(昭和46年法律第40号)の規定に従い訴えの提起の手数料を納付しない場合も、同様とする。

 2 前項の場合において、原告が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、訴状を却下しなければならない。

 3 前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。

(訴状の送達)第138条  訴状は、被告に送達しなければならない。

 2 前条の規定は、訴状の送達をすることができない場合(訴状の送達に必要な費用を予納しない場合を含む。)について準用する。

(口頭弁論期日の指定)第139条  訴えの提起があったときは、裁判長は、口頭弁論の期日を指定し、当事者を呼び出さなければならない。

(口頭弁論を経ない訴えの却下)第140条  訴えが不適法でその不備を補正することができないときは、裁判所は、口頭弁論を経ないで、判決で、訴えを却下することができる。

民事訴訟費用等に関する法律の規定に従い当事者に対する期日の呼出しに必要な費用の予納を相当の期間を定めて原告に命じた場合において、その予納がないときは、被告に異議がない場合に限り、決定で、訴えを却下することができる。

 2 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

(重複する訴えの提起の禁止)第142条  裁判所に係属する事件については、当事者は、更に訴えを提起することができない。

(訴えの変更)第143条  原告は、請求の基礎に変更がない限り、口頭弁論の終結に至るまで、請求又は請求の原因を変更することができる。ただし、これにより著しく訴訟手続を遅滞させることとなるときは、この限りでない。

 2 請求の変更は、書面でしなければならない。

 3 前項の書面は、相手方に送達しなければならない。

 4 裁判所は、請求又は請求の原因の変更を不当であると認めるときは、申立てにより又は職権で、その変更を許さない旨の決定をしなければならない。

(選定者に係る請求の追加)第144条  第30条第三項の規定による原告となるべき者の選定があった場合には、その者は、口頭弁論の終結に至るまで、その選定者のために請求の追加をすることができる。

 2 第30条第三項の規定による被告となるべき者の選定があった場合には、原告は、口頭弁論の終結に至るまで、その選定者に係る請求の追加をすることができる。

 3 前条第一項ただし書及び第二項から第四項までの規定は、前二項の請求の追加について準用する。

(中間確認の訴え)第145条  裁判が訴訟の進行中に争いとなっている法律関係の成立又は不成立に係るときは、当事者は、請求を拡張して、その法律関係の確認の判決を求めることができる。ただし、その確認の請求が他の裁判所の専属管轄(当事者が第11条の規定により合意で定めたものを除く。)に属するときは、この限りでない。

 2 第143条第二項及び第三項の規定は、前項の規定による請求の拡張について準用する。

(反訴)第146条  被告は、本訴の目的である請求又は防御の方法と関連する請求を目的とする場合に限り、口頭弁論の終結に至るまで、本訴の係属する裁判所に反訴を提起することができる。ただし、反訴の目的である請求が他の裁判所の専属管轄(当事者が第11条の規定により合意で定めたものを除く。)に属するとき、又は反訴の提起により著しく訴訟手続を遅滞させることとなるときは、この限りでない。

 2 反訴については、訴えに関する規定による。

(時効中断等の効力発生の時期)第147条  時効の中断又は法律上の期間の遵守のために必要な裁判上の請求は、訴えを提起した時又は第143条第二項(第144条第三項及び第145条第二項において準用する場合を含む。)の書面を裁判所に提出した時に、その効力を生ずる。

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