大船駅の近くにあるお城です．
上杉謙信は関東管領上杉氏を継ぐまでは長尾氏．
そして，その長尾氏の発祥の地が鎌倉を望む台地にある長尾城．
鎌倉党長尾氏の長尾定景は長尾景弘の子であり,大庭景親・懐島景義の従兄弟にあたり,最初は源頼朝に敵対します.石橋山の戦いにおいて,源頼朝の寵臣である佐奈田義忠を討ち取ったのが長尾定景.源頼朝が関東を制圧すると捕らえられ,佐奈田義忠の実父・岡崎義実に預けられる.しかし,後に許され三浦氏の家臣に．
三浦義村の命令で,1219[建保7]年に源実朝を暗殺した公暁を討ち取ったのも長尾定景.
長尾定景の子の景茂は,鎌倉幕府執権北条家と三浦氏との戦い[宝治合戦]が勃発すると,三浦一族に与し,鎌倉法華堂で自刃．他の長尾一族も命運を共にします.
葛西時清の血をひく長尾景忠だけが助かり葛西氏の助命嘆願によって助命.景忠の子・景能,その子・景為の代に上杉氏の家臣となり生き残ります．
もっとも,景基の嫡男の長尾景基の娘が上杉頼成に嫁し,生まれた藤景が,基景の養子となって長尾宗家を承継.その後,藤景の実弟・藤明が長尾宗家を継ぎます.このように上杉家の血脈が長尾家の血脈に繋がったことで長尾氏は生き永らえることとなった.
ここから関東管領上杉氏の家宰として白井・総社長尾氏，足利長尾氏，越後長尾氏と繁栄していく長尾一族の歴史が始まりました．
上杉謙信の祖とされる長尾定景の一族の墓所は鎌倉は植木の久成寺にある.元は長尾台にあったものを久成寺に移されたと伝わります.
| 鎌倉・足利長尾家 | 長尾豊前守景廉の実弟新次郎（新五郎）景直を祖とする家．景直の曾孫景仲が白井長尾家を嗣ぎます． |
| 犬懸長尾家 | 長尾景直の子である満景を祖とする家．満景の子の長尾実景が満景の兄の景英の鎌倉長尾家を継いだことで鎌倉長尾家と一体となりました． |
| 白井長尾家 | 長尾景忠の子の清景を祖とする家．長尾家の本宗家とされます． |
| 惣社長尾家 | 長尾清景の弟の孫六忠房を祖とする家．惣社長尾家からは高津長尾家が分出します． |
| 越後長尾家 | 長尾景忠の弟あるいは従兄弟の景恒を祖とする家． 上田荘を本拠とする上田長尾家，古志郡蔵王堂・栖吉を本拠とする古志長尾家（＝栖吉長尾家），蒲原郡三条を本拠とする三条長尾家（＝府中長尾家）の三家に分かれました． |
posted by N.T.Vita brevis, ars longa. Omnia vincit Amor.
