武田信玄の弟である武田逍遥軒信綱[-1582]の子孫が甲斐から越中に落ち延びたというのが越中武田家.
逍遥軒信綱は信廉ともいい信玄,信繁の同母弟.信繁は川中島の戦いで討死していた関係で武田家の中で重きを為した.また,信玄に良く似ていた為に,信玄の死後,影武者を務めたとも云う.信玄死後には,信玄が追放していた父・信虎を引き取り居城である高遠城に入れている.
織田軍による甲斐侵攻後の残党狩りによって捕えられ森長可配下によって斬首された.
本願寺顕如の妻の如春尼は三条公頼の娘であり姉が武田信玄の妻である三条夫人であった関係から,蓮如直系の寺院として,越中では井波瑞泉寺と双璧を為す勝興寺を頼って,逍遥軒信綱の一族が甲斐から落ち延びたのだろう.
その証拠に,この武田家住宅は安永年間[1772-1780]にかけて伏木勝興寺本堂が再建された際の余材で建てられたとの伝承を有している.
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