木曜日, 2月 19, 2004
全地球史
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便宜的に分けた結果のはずなのに、その区分にかえって縛られて、自分は文系だから理系には関心がないとか。自分は理系だから文系の分野の才能がないとか。そんなことが当たり前のように言われたりする。
でもさぁ、理系出身の作家の人だっているし、数学者が哲学者であったり、経済学者が物理学者だったり、そういうこともある。
それに、もともと、人間の自然な興味とか関心というのは2分化出来ないというのが普通じゃないかと思うんだけど」
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そして、19世紀には完全に分かれた。分かれたのだけれども、それでも曖昧なところがあって、両方に通じているけれども、どちらかと言えば物理が得意だから理系の区分に含まれる分野を専門にしているということがあった。
分かれているようで分かれていない」
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それに、歴史の中でも文明の起源に当たるところ、高校の科目にはないけど、考古学が対象とするところは理科でいうところの地学の項目と重なってくる。
そうすると、地学の項目も歴史の年表に入れたほうが理解しやすいという、そういう結論になってしまったということがあったなぁ」
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その気持ちは理解出来る。だから、全地球史なんて言葉を耳にすると、凄く期待しちゃう。普通に言われている全地球史というのは文字通り地球の歴史を取り扱うのだけど、人類の歴史とか人類と自然環境との関わりといったところまでは含むようなものにはなっていない。」
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それに、全地球史の試みの中で『地球史七大事件』として、
(1)46億年前の地球誕生と核・マントル分化
(2)40億年前のプレートテクトニクスの開始
(3)27億年前のマントル対流が一層対流になるマントルオーバーターン
(4)19億年前に起こった最初の超大陸の誕生
(5)7.5億年前に発生したマントルへ海水の逆流の開始
(6)2.5億年前のアフリカスーパープルームの誕生と史上最大の生物絶滅
(7)人類と科学の誕生
ということを挙げている。ここに(7)として人類と科学の誕生ということが挙げられているということは全地球史の試みは人類の歴史も十分に視野に入れていると言えるんじゃない」
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全地球史解読
熊沢 峰夫, 伊藤 孝士, 吉田 茂生