火曜日, 3月 02, 2004
昆虫食が地球を救う


18世紀の末に経済学者マルサスがヨーロッパの人口増加は食糧生産に追いつくことが出来ず19世紀には食糧危機に陥ると『人口論』で警告した。大真面目だったんだけど、マルサスの警告は危惧に留まり現実のものとはならなかった。
新大陸でリン酸であるグアノと窒酸であるチリ硝石という無機肥料が発見されて食糧増産が実現して新大陸からヨーロッパに多くの食料が流入したことで警告が実現しなかったわけよね。
これは、農芸化学の父と言われるリービッヒ(J.v.Liebig)が植物の栄養素が無機物であるという無機栄養説を唱えたことが大きく影響したわけだけど」

穀物の大幅な増産というのは困難だということで注目されているのは昆虫食。何といっても全動物の中で最も種数が多いのが昆虫。昆虫類(Class Insecta)は74万種類もいる。これを食料としない手はないわけだ」


昆虫というのは蛋白質がギュっと詰まっている。だからこそ食糧危機の切り札となるわけだね。昆虫というと、体が頭、胸、腹の3つに別れ、脚が3対6本で胸部の下から出、翅が2対4枚というのが特徴」

そのうち昆虫は多足類から別れて進化し、デポン紀には無翅の昆虫類が登場してきている。もうずっと昔から地球にいたわけね」


虫を食べる人びと
三橋 淳 (著)