月曜日, 3月 22, 2004

日本から消えるケルセン 

「環境省の内分泌攪乱化学物質問題検討会が優先してリスク評価に取り組む物質として、つまり環境ホルモンの可能性の高い物質として新たに、アルドリン(Aldrin:C12H8Cl6)、エンドリン(endrin:C12H8Cl6O)、ディルドリン(Dieldrin)、ヘプタクロル(Heptachlor:C10H5Cl7)、マイレックス(Mirex:C10Cl12)、ケルセン(Kelthane:C14H9Cl5O)、マラチオン(Malathion:)及びペルメトリン(Permethrin)の8物質を指定したことで、農薬製造メーカーではケルセンの製造を取り止める動きがあるようだよ」
「ケルセンというとミカンなどのダニ駆除に使われる農薬でしょ。日本では環境ホルモンの疑いがあるとされたけど、米国をはじめとする各国では農薬として使用が認められている。ジコホルって名前でね。
日本では、各国に先駆けて『環境ホルモン戦略計画SPEED98』の対象項目、つまり環境ホルモンの疑いがあるってされた。
こうした動きを受けて、4月に施行される改正化学物質審査規制法での規制対象となることから採算性の問題が指摘されていたようね。
アリ駆除に使われていたマイレックスなどは発ガン性が確認されていて米国をはじめとする先進国では製造も使用もされていないわけだけど、ケルセンの場合は日本でも禁止されたわけではないし、日本以外では以前として使用されるというところが違う」
「現在、日本で製造しているメーカーは5社というけど市場が小さい。それが法規制によって各社に環境調査が課されることになるわけだね。
採算性の問題が出てきて、実際に製造を中止するということになっているということは調査費用が市場規模を上回るってことなんだろうね。
ところで、環境省が環境ホルモンの疑いがあるってしている物質はどのくらいあるの?」
「その前に、環境ホルモンというのは、正式には内分泌撹乱物質って難しい名前で呼ばれるもので、『生体の恒常性、生殖、発生あるいは行動に関与する種々の生体内ホルモンの合成、貯蔵、分泌、体内輸送、結合、そしてそのホルモン作用そのもの、あるいはクリアランス、などの諸過程を阻害する性質を持つ外来性の物質』(環境省)ってされている。これは国際的な定義。
環境省が優先してリスク評価に取り組む物質、つまりは環境ホルモンの疑いがありますよってしているのが36物質。今年になって指定されたものも含めてね。
で、昨年までに指定されたものを環境省の資料から挙げると、
平成12年度のものが

平成13年度指定のものは

それから、平成14年度指定のものが


「DDTというのは、戦後の日本で進駐軍がダニやシラミを駆除するために日本人に頭から振りかけていたものだね。
今考えると非常に危険だったわけだけど。
このDDTとDDE、DOEは性質の似たもの同士で3つ合わせてDDT類って呼ばれているから、同じものだって考えていいのかな」


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ダイオキシン 100の知識
左巻 健男 (著), 桑嶋 幹 (著), 水谷 英樹 (著)

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