木曜日, 4月 15, 2004

塩ビで大手 

「化学大手の東ソーが日本国内で塩化ビニール(Vinyl chloride:C2H3Cl)の原料プラント、それを使った樹脂の製造工場を中国に新設することで日中一貫の生産体制を構築して競争力を強化するってね」
東ソーというと、現在の山口県新南陽市で東洋曹達工業株式会社として設立されて、その後、40年経った昭和50年に鐵興社と合併、さらに、平成2年に新大協和石油化学株式会社と合併した企業よね。会社の資料によると、2003年3月時点で資本金が406億円、売上高が連結で4719億円、単独でも3065億円ある化学の大手企業」
「汎用樹脂でも特に塩ビに力を入れているね。
日本プラスチック工業連盟の統計によると、 世界の塩ビの生産量は1995年時点で1240.1万トン。うち、557.8万トンを米国、227.4万トンを日本が生産。ちなみに、プラスチック全体の生産量が8065.9万トン。
これが、塩ビ工業環境協会の資料によると、2000年の塩ビの世界生産量は2,597万トン。およそ2倍に増えたことになる。内訳を見ると、北米が25.2%、欧州が27.1%、日本を除くアジア地域で27.2%と欧州を抜き世界第二位の市場となっている。日本は9.3%。
経済産業調査会の化学工業統計月報によると、日本の塩ビの生産量は2002年には2225.3万トン。約2000億円の国内市場。
その事業環境の中で、167万トンというアジア最大の生産規模を構築するらしいよ。化学メーカは2000年来大きなリストラで事業構造の選択と集中を行ってきたわけだけど、いよいよ攻めの局面に突入したということだね」
「塩化ビニール(Vinyl chloride:C2H3Cl)というのは、透明なプラスチックのことと思えば良いのかな。文字通り、塩素が成分として含まれているから燃えにくいという特性を持っていて幅広く使われている。ほら、スーパーの買い物袋とかね。
塩ビ樹脂は塩ビモノマーという原材料から製造されるわけだけど、東ソーの主力向上は南陽。そこに400億円を投資して2006年までに生産能力を大幅に拡大するらしいわネ」
「モノマー(monomer)というのは単量体のことで、高分子を構造する基本単位である低分子化合物だね。1種類のモノマーが,その基本構造の原子配列を変えないで、2個以上で化学結合して、分子量の大きな化合物をつくる反応のことを重合反応というけど、その重合によって生じる重合性化合物全体はポリマーという。ポリマーをモノマーにするには、重合反応を起させるためにはイオンやシングル電子を持っているラジカルといった開始剤を加える。
この買い物フクロを作るのに化学のいろんな知識がいるんだってことだけ分かれば良いけど」
「化学の勉強を買い物の時に思い出せるようにね」

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