金曜日, 4月 22, 2005

ちょっと苦手 

 私は虫が苦手だ。見るだけなら、どうにか何ともない。だが、触るのはいただけない。昔からそうだったのかというと、そうではない。
少なくとも小学生の頃までは昆虫に接する機会が多かった。小学校に上がるか、上がらない頃にはカブトムシを飼っていた。自然が比較的多く残っている地で育ったので、林にクワガタを採りに行ったことも度々。カブトムシはいなかったが、クワガタなら木の根元の土を掘り起こせば幼虫が、木の幹の樹液が出ているところを見れば成虫がいて、それを手で採ったもの。
そう、その頃は手で採っていた。手袋などは断じて嵌めていない。
ところが、いつの頃からか、高校に入ってからか、それ以降か判然としないが、兎も角も、今は昆虫と言えども素手で接触を図るというのは、私にとっては無謀な試み以外の何物でもない。私にとっては昆虫はエイリアンのようなもの。いや、エイリアンそのものに他ならない。映画のエイリアンに出てくるエイリアン、何だか話が混線しそうではあるが、そのエイリアンも昆虫に似ているではないか。きっと、エイリアンと聞いて昆虫を想像する人は多いに違いない。もとより、まるで根拠のない主観的な妄想ではある。
あのガンダムにも影響を与えたとされるロバート・A・ハインラインの『宇宙の戦士』。その『宇宙の戦士』をバーホーベン監督が映画化した『スターシップトゥルーパーズ』で描かれていたエイリアンは虫型の「アラクニド」だったではないか。
昆虫の種類は74万種と言われ全動物の4分の3を占めている。地球上では多数派。幼虫から成虫に至るまでに大きく姿を変える昆虫が地球上では多数派なのだ。
だから、少数派の哺乳類に属する私が、どうのと言ってみたところで多数決では否決されてしまうだろう。
そうは言ってもやはり昆虫を見るとエイリアンが脳裡を翳(かす)める。
地球上の生命の起源は宇宙の他の天体にあって、その天体から生命の素が地球にたどり着いたことで、地球の生命の歴史が始まったのだという考え方がある。胚種普遍説(パンスペルミア説)という。丸っきり荒唐無稽な話かというと、必ずしもそうではない。しばしば引き合いに出されるが、この説を唱えた科学者の中には、電解質溶液理論の研究で1903年にノーベル化学賞を受賞したスウェーデン人のスヴァンテ・アレニウス(Svante August Arrhenius,1859 - 1927)がいる。これは、考え方の権威付けにはなる。
最近では、イギリスはカーディフ大学のチャンドラ・ウィクラマシンゲ教授が、地表から最高41キロメートル上空の大気から生きた細胞を採取したことをもって、胚種普遍説(パンスペルミア説)が実証されたと報告している。科学は理論と実証の積み重ねという点からすると、こうした結果も胚種普遍説(パンスペルミア説)の補強にはなりうる。
こういう理論やら結果をもって、昆虫は宇宙からやってきたエイリアンなのだという向きもある。
だから、こんなにも違うのだと。
直感的に、ふむふむと納得したいところだが、多くの科学者はこの仮説を支持していない。
胚種普遍説(パンスペルミア説)は20世紀の初めの時点で、ロシアの生物学者オパーリン博士による生命の起源はアミノ酸の生合成によるタンパク質の生成にあるという説によって否定されているのだ。
そもそも、生命のルーツを地球以外の宇宙に求めても、そのルーツの天体ではどうやって物質から生命が生まれたのだろうか。そんな疑問も湧いて来る。
ならば、昆虫だけがルーツが違うのではないのかということになる。その考え方も現段階では賛同する科学者は非常に少ない。
よくよく考えるに、姿形だとかが異なるからというだけで、全く別物で、ルーツが異なるのだとするよりも、同じルーツから、こんなにも多様な進化が繰り広げられたと考えるほうが楽しいのではないか。
地球以外の宇宙に生命があるならば、現在の地球上の、これほどまでに多様な生命からは想像も出来ないような生命であるのではないか。そう思いを巡らせると楽しいもの。
そうは言っても、やはり、私は昆虫を依然として手で触ることは出来ないのであるが。


<<一言主>>
○5つの「ひも理論」を統一する「M理論」では、次元は11次元が必要。

○「M理論」では紐は膜(ブレーン)となる。

○「M理論」を提唱したウィッテンはアインシュタインの後継者とも言われている。

○「ひも理論」では重力は宇宙から漏れてしまっていると考える。
これが、重力が電磁気力よりも非常に小さい理由だと。

○「M理論」では重力以外は両端が膜(ブレーン)に繋がっている紐と考えられている。しかし、重力は膜(ブレーン)に繋がっていないリングだという。

○ビッグバンは平行宇宙の膜同士が接触したために発生したと考えられている。

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