日曜日, 4月 24, 2005

創造主への路 

 「元素は、はるか昔にこの大宇宙に登場し、約20億年以上前小さな地球を創造した。自然界のあらゆる物質をつくっている元素の正体は、それから長いあいだつきとめられることがなかった。およそ200万年前、人間はその正体をかすかにつかみ、利用することを覚え、今日の文明への強力な第一歩を築いた。」(大沼正則、『元素の事典』)
ここに紹介されているような昔は、宇宙の時間の尺度からすると一瞬前の出来事でしかない。
その一瞬の間のそのまた僅かな期間に、地球を創造した、自然界のあらゆるものをつくった元素の謎を人類は解き明かしていった。それだけではなく、多くの元素を自ら創り出してきた。
その意味で人類は創造主となった。
原子番号92のウランより重たい元素は自然界には存在していない、人工的な方法によって作り出されたもの。
もっとも、物質の最小単位が元素ではないことが分かってきたことで、人類が成し遂げたことは、本当の創造主が行ったことのごく一部であるということも明らかになってきている。元素が最小単位ではないということ、つまり原子が陽子と中性子、そして陽子や中性子の1/1840程度の重さしか持ち合わせていない電子からなっているということを知ったからこそ、その逆を辿って新しい元素である原子を「発見」することが出来たと言えるだろう。
そのままでは自然界には存在し得ないものを見つけ出すことを発見と呼んでよいものかに関しては個人的には多少の違和感を覚える。それは、発見といったレベルではなく、もはや創造という水準なのではないのかと。
ともあれ、自然に存在している元素の中では最も重い横綱級のウランより重い元素は超ウラン元素と呼ばれる。その中にあっても、1952年のマーシャル諸島での水爆実験によって発見された原子番号100のファルミニウム( Fm )よりも原子番号の大きい、超フェルミウム元素と言われる重たい元素は、原子番号101のメンデレビウム( Md )を除いて、1958年から1974年までの間に米国とソ連の重イオン加速器によって10個創り出されている。

原子番号102のノーベリウム( Nobelium ,No ):ドブナ(ソ連)
原子番号103のローレンシウム( Lawrencium ,Lr ):ドブナ(ソ連)
原子番号104のラザフォージウム( Rutherfordium ,Rf ):ドブナ(ソ連)
原子番号105番のドブニウム( Dubnium ,Db ):バークレイ(米)、ドブナ(ソ連)
原子番号106番のシーボルギウム( Seaborgium , Sg ):バークレイ(米)

がそう。
シーボルギウム(Sg)よりも更に重たい元素は創りだされても寿命が極端に短い。あっと言う間にこの世から消えてなくなってしまう。
そこで、それまでの技術とは異なる手法によって、ドイツのダルムシュタット(Darmstadt)の重イオン研究所(Gesellschaft fur Schwer Ionen Forschung)で「発見」された。原子番号112番まで「発見」されているが名前が付いているのは、

原子番号107番のボーリウム( Bohrium , Bh )
原子番号108番のハッシウム( Hassium , Hs )
原子番号109番のマイトネリウム( Meitnerium , Mt )

そして、現在の所、最も重い元素を「発見」したのが、日本の理化学研究所の森田浩介先任研究員らのチーム。日本の快挙。伝えられるところによると、森田氏は「涙が出るほど嬉しい」と語ったとされる。その意味するところは、今までの超ウラン元素の発見史を見れば分かるだろう。
原子番号113番の元素に果たしてどういう名前が付けられるのか森田さんは今頃、語呂の良い名前を探して命名事典を紐解いているやも。

<<一言主>>
○失語症の人でも歌を歌うことが出来る

○手長猿のある種類はパート毎に歌う

○一番進化した手長猿は歌の一部分を切り出して歌える

○幼児は気に入った言葉のフレーズを使うことから始める。単語から覚えるのではない

○モンタノス派(Montanism)は2世紀中頃に出現した聖霊信仰と純粋主義を唱えるキリスト教異端派。

○小アジアで2世紀に流行したキリスト教モンタノス派はモンタノス(Montanos)によって始められた。

○アンフェタミンという薬剤は体力倍増と痛みを感じなくなる薬品。

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