土曜日, 3月 19, 2005

徳川家康公像 



『美と歴史』の旅。今回は紀州和歌山。
粉河寺日前宮紀三井寺と巡り、紀州東照宮へ。
長い階段を登ると素晴らしい和歌浦の景色と家康公がお出迎え。

西国三番粉河寺 

和歌山到着。
まずは粉河寺の伽藍に詣でる。二両編成のワンマン電車で行き着いた先には、それは見事な山門に本堂。
写真は優しき丈六阿弥陀如来座像。

羽田第二ターミナル 


連休とあって結構な混みよう。
さて、まずは朝食を摂って、出発とすることとしよう。

金曜日, 3月 18, 2005

昔の人の知恵の素晴らしさ 

 米を食し、米で酒を醸造して楽しむ。これは日本のスタイル。
麦からパンを作り、麦でビールを醸造して楽しむ。
これはヨーロピアンスタイル。
ただ、ビールの場合は麦芽を使う。
麦芽というのは、麦の種子を水に浸して発芽させたもの。発芽させてはいるけれども、栄養源であるデンプンがほとんど分解されていない状態で乾燥させてしまう。
それが麦芽。
その麦芽を粉にして焼いてパン状にして捏ねて粥状にすると、これだけで相当な手間!、麦芽アミラーゼというものの作用で糖化がおこり酵母が増殖。
この酵母が発酵してビールということに相成る次第。
ビールの起源は古く紀元前4000年前から3000年前にかけて古代メソポタミアのシュメール人が既にビールを飲んでいたのだというから驚き。
ここからが面白い、当時のビールは、というよりもビールは現在に至るまでの長い歴史の中で医薬品としても認められていたのだという。
ために、ビールには様々な薬草を入れるグルートビールというのが主だったとか。
ビールに苦味と香りを加えるのに欠かせないホップ。クワ科の蔓性多年生植物で昔からハーブとして知られていた。
そのハーブも様々な薬草と混ぜて使われていた。
千葉大大学院医学研究院の野田公俊教授とアサヒビールの研究チームは、このホップの先端に含まれている「ホップポリフェノール」という物質が胃がんの引き金を引くと考えられているヘリコバクターピロリ菌の毒素を無毒化するということを発見したという(本年3月発表)。
ということは、限度もあるだろうけれども、ビールを沢山飲むと悪さをするピロリ菌が無毒化されて胃がんにかかり難くなるということになりそう。
ただ、「ホップポリフェノール」が含まれている部分は通常はビールに使うことなく、捨ててしまう部分に多く含まれているという。
それでも、研究チームの中にアサヒビールの人々が加わっているので、これからはビールに多く入れられることになるかもしれない。
この「ホップポリフェノール」の効き目の凄いところは、ピロリ菌に作用するのではなくて、ピロリ菌の持っている毒素「VacA」に作用するところ。
というわけで、抗生物質が効かない場合でも有効なのだという。
こういう話を聞くと昔の人は、そういう有効性を知っていてホップをビールに混ぜたのか、それとも偶然の選択の積み重ねで混ぜるようになったのか、思いを馳せてしまう。


<<一言主>>
○鳥の祖先が恐竜なのかどうかに関しては論争がある。

○鳥の祖先が恐竜であると考える説は、後肢で立って歩く肉食性の獣脚類恐竜を鳥の祖先だと考えている。

○中国遼寧省で4つの翼を持つ鳥の化石が中国科学院の周忠和博士と張福成博士によって発見されている(2004)。

○中国遼寧省で4つの翼を持つ鳥の化石は約1億3000万から1億4000万年前の白亜紀前期の地層から発見された。

○4翼の鳥はエナンティオルニス類に属している。

○4翼の鳥は4翼恐竜と現在の鳥との中間に位置すると考えられている。

木曜日, 3月 17, 2005

可哀相... 

 今朝、駅前で猫が亡くなっていた。
小さな駅。
小さな駅なのだけれど、駅を囲むように道が曲がっている。道が曲がっているので駅の向こうから走る車には駅のこちら側を見通すことは出来ない。
逆もまたしかり。
加えて、線路の南には玉川上水という上水路とそれを包み込むような木陰が繁っている。人間にとっても憩いの場、散歩の場であると同時に、動物達にとっても心休まるオアシス。
車にはねられてしまった猫も、きっと家からいつものお散歩コースを歩いていただけに違いない。
遥か昔のことは知らない。
しかし、トラックの信号無視はしばしば見かける。中には歩行者が青信号で歩いている最中にも猛スピードとハンドル捌きで走り抜けていく場合もある。
私の親類、それもかなり高齢の親類にトラックのドライバーだった人がいる。
彼からしばしばトラックや商業車両の運転手は安全運転にかけては一般のドライバーの比ではないとずっと聞かされてきた。
今でも、例えばクロネコさんなどはとても優しい運転をしている場面に度々出くわす。
その一方で、信号を無視して走りぬけるトラックがいるというのも事実。
それでも、赤信号を無視して急ぐドライバーを十把一絡げにしてどうこうとは言いたくない。
何せ世知辛いご時世。働けど働けど給料は上がらず、しかも速く速くと求められているのだろう。
話が外れた。
兎に角、死角もある上に、猛スピードで走っていく車が多いために危険が一杯の道路。
可哀相な猫を襲った悲劇をもたらしたのが誰であれ、亡くなった猫は再び歩くことは出来ないし、みゃーと飼い主に媚びをうることも叶わない。


<<一言主>>
○脳は、機能的、構造的に異なる多数の「領野」という細かい単位によって構成されている。

○脳が多数の細かい機能的単位によって成り立っていることを、脳のモジュール構造という。

○脳のモジュールはコラム構造になっている。

○爬虫類には大脳旧皮質はあるが大脳新皮質はない。

○大脳旧皮質は本能を司る。

○大脳新皮質は運動野、感覚野、連合野といった部位からなる。

水曜日, 3月 16, 2005

かっかそうよう 

美と歴史」のサーバーが再びダウン。ここの所、1ヵ月に1回ダウンする状態。
原因を突き止めたつもりだったのだが、再度原因を突き止めるべく鋭意努力。
サーバーが手元にないと確認が隔靴掻痒(かっかそうよう)。
古い話になるけれども、昔のテレビだと映りが悪いとバンと叩いてどうにかなったり、冷蔵庫でも摩(さす)ったりすると元気を取り戻したりした。
この点、パソコンなどは上手くない。
叩いたら文字通り壊れてしまうし、摩っても、ちっともこちらの気持ちは伝わらない。
もっとも、かつての1世代前のテレビやら冷蔵庫やらでも、叩いたりして直ったのは単なる偶然だったのかもしれない。
おそらく、偶々だったと考えたほうが当っているのだろう。
そうこうしているうちに、どうやらサーバーのダウンが原因ではなくてディスク障害が原因と判明。
さて、隔靴掻痒(かっかそうよう)というのは、宋代の禅僧、無門慧開(1183-1260)が著した『無門関』が原典。
この『無門関』、いわゆる公案集で、全部で48の公案が書かれてあり、「東洋的無」あるいは「絶対無」と呼ばれる概念の原典として知られている。
隔靴掻痒(かっかそうよう)は48の公案ではなく、序文の中に出てくる。

「 何ぞ況や言句に滞って解会を覓(もと)むるをや。棒を掉って月を打ち、靴を隔てて痒(かゆがり)を爬(か)く、甚んの交渉か有らん。慧開、紹定戊子の夏、東嘉の竜翔に首衆たり。納子の請益に因んで、遂に古人の公案をもって門を敲く
瓦子(がす)と作し、機に随って学者を引導す。」

と。
ちなみに、この禅宗の古則公案を編纂した『無門関』は1228年に慧開のもとにいた弥衍宗紹が編集し、日本へは臨済宗法燈派の開祖である法燈円明国師(無本覚心[1207-98])が持ち帰って紹介した。
この臨済宗法燈派の本山は和歌山県日高郡由良町の鷲峰山興国寺。


<<一言主>>
○間脳は、視床と視床下部に分かれる。

○視床は、視覚・聴覚などの情報を大脳に中継する役割を担っている。

○視床下部は、新陳代謝とか体温調節、消化など自律神経の中枢。

○視覚や聴覚の中継を行うところが中脳。

○小脳は運動調節や平衡感覚を司る。

○呼吸、循環などの生きて行く上での基本的活動は延髄で行われる。
延髄を蹴ってはいけない。

火曜日, 3月 15, 2005

社会と科学 


科学の知識は誰のものというと、誰のものでもなく人類共通の資産と言える。
だから、科学知識は別段お金を払わなくても知ることが出来る仕組みが沢山ある。
そうは言っても、手軽に買えるような科学の本でも凄く難しかったり、あるいは逆に簡単すぎて知的欲求を満たすことが出来ないということがあるのも確か。
学問に王道はない訳だから、一歩一歩理解する努力をしながら進まなければいけないというのが筋ではあるのだろう。
しかし、目の前の単純な疑問、素朴な疑問の答えを探るのに何時間も、いや何日もかけて分厚い教科書を一から紐解くというのは、あまりにも敷居が高すぎるというもの。
ただ知りたいというだけの場合は、そこで敷居が高いからと諦めてしまっても個人の問題に留まる。これは残念なことでもあるが、致し方ないとも言える。
ところが、科学知識は決して象牙の塔の中に閉じこもってはいない。科学知識を蓄積するために国の予算が使われるわけだし、科学知識を応用して実に様々な製品が世に送り出されている。
つまり、非常に難解で高度な衣をまとった科学知識はとても身近なところに、すぐ隣りに密接な形で日常生活と同居している。
そうすると、決して無関心では済まされない。
そういう科学知識との間に横たわるギャップを埋めようという試みが、これは政策決定者との間に横たわるギャップに関してという限定付きではあるけれども、試みられている。政策決定のための価額既述情報データベースを
web 上に作ろうという試みSINAPSE (Scientific Information for Policy Support in Europe) がそれ。
既に、域内の150を超える大学や研究機関、研究者個人が登録しているというから本格的。
名前もなかなか洒落ている。


<<一言主>>
○人間の脳は、一般には大脳と呼ばれる終脳、脳幹、小脳からなる。

○脳幹は、間脳、中脳、橋、延髄からなる。

○大脳は外套、大脳核、側脳室に分かれる。

○外套は、大脳皮質と白質からなる。

○大脳皮質は、神経細胞が集中する灰白質。

○白質には、大脳、脳幹、脊髄、大脳皮質の神経細胞を結ぶ神経線維が集まっている。

月曜日, 3月 14, 2005

今、ここにある寒さ 

 凶器のように鋭くも

空を切り裂く雲の群れ

空を切るでは事足りず

地上に肌に突き刺さる

目に見える 雪のほのかな優しさや

ロマンスさえもカケラなく

見えない分だけ増す先鋭

容赦なく 見える者に切りかかり

目に見えぬモノの存在知らしめる


<<一言主>>
○一般的(抽象的)な事柄から特殊(具体的)な事柄を導き出す考え方を演繹法という。

○個別の事柄の共通点に注目して一般的な事柄を導き出す考え方を帰納法という。

○脳の中で話したり文法などに関係する部位をブローカ野という。

○ブローカ野は脳左半球の前頭連合野にある。

○ブローカ野は、19世紀にフランス人外科医ブローカが発見した。

○脳の中の前頭葉の運動皮質よりも前の部分を前頭連合野(frontal association cortex)という。

○前頭葉は、情報の統合、認知、概念を司る。

日曜日, 3月 13, 2005

冬と春のおしくらまんじゅう 

寒いわねぇ。
四国の阿波でも、昨日、雪が舞ったでしょ。
東京は昨日の昼間はワイシャツ一つで大丈夫なくらい暖かかったっていうのにねぇ。
どうしたものかしら、この寒さ。
ほら、私なんか年中ワイシャツ1枚みたいなものでしょ。
えっ?何も着ていないだろうって?
失礼しちゃうわねぇ。
人間で言うところの洋服っていうのは、猫で言うところの毛になるのよ。
毛の無い猫っていないでしょ。
それにね、人間なんぞとは違って、酔っ払って洋服を脱ぐように、毛を脱ぐような下品な連中もいないのよ。
私達、猫は、こう見えても、高貴な存在なの。
忘れないでもらいたいわね。
それにしても寒いわ。

<<一言主>>
利己行動とは、自分のために同じ種の相手に対して、その相手の利益とはならない行動をとること。
自分が一番という行動。

生物が環境にに適応するための最も有利な行動パターン(戦略)をESS(Evolutionarily Stable Strategy)、進化的に安定な戦略と呼ぶ。

ESS理論はイギリスの進化生物学者ジョン・メイナード・スミス、サセックス大学名誉教授が提唱した。

オーストリアの動物行動学者コンラート・ローレンツ(1903-89)は、動物は同じ種の間では決して殺し合いはしないと考えた。
同じ種で殺し合いを行うと種の保存にマイナスに働くからというのが理由。

人間だけではなく、チンパンジーやライオンでも子殺しという現象が観察されている。

同じ種の中での子殺しという現象はコンラート・ローレンツの考え方からは説明出来ない。

メイナード・スミス教授のESS理論は、動物は、それぞれの個体にとっての利己的な行動を考えて行動するが、進化の過程では、その利己的行動が種として見た場合に、一定のパターンに落ち着くのだと考えた。

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