[2018/12/30]
京都の六孫王神社の近くにあるのが児の水[ちごのみず]と呼ばれる湧き水.そこを守っているのが児水不動明王.
今は線路のそばにポツンとという形であるますが,かつては源実朝の妻・本覚尼[坊門信子]が暗殺された実朝の菩提を弔うために建立した遍照心院大通寺の門前という位置にあったとされます.そのため,尼寺の水とも言われるのだとか.
六孫王神社も大通寺が創建されたときには荒廃していたものが再建され,大通寺の鎮守とされたという経緯があります.
つまり,大通寺は広大な敷地を有する大寺院だったわけですが,明治維新後の廃仏毀釈によって,六孫王神社が独立したのを始め,8つの塔頭のうち7つの塔頭が廃寺に追い込まれてしまいます.
そして,線路の建設のために大通寺自体が塔頭の東林院に統合されて現在の大通寺となっています.
つまり,線路が通される前は,児水不動明王は文字通り大通寺の門前にあったことになります.
Vita brevis, ars longa. Omnia vincit Amor.