ドイツ的経営の源流

20世紀ドイツ大企業がウェルフェア・キャピタリズムを世界史上最も早く実現させた要因。

  1. ものづくりの伝統(マイスター論)
  2. 社会組織が成員全体の生活を保障しようとする伝統(ゲマインヴォール論)
  3. 家長=主人が上から組織を導き保護する権利と義務を持つ伝統(ヘル・イム・ハウゼ論)

『どの国の大企業もみな同じような企業と人との関係をつくり出してきたわけではないことは、例えばアメリカとドイツについて、次のような実際の歴史におけるいくつかの疑問を思いうかべてみることからも示される』
『イギリスやアメリカなどの市場性の強い社会とドイツや日本などの組織性の強いと言われる社会の間の対照性』
『同時代のイギリスやアメリカのように、労働者は労働者で勝手に生き、資本家は資本家で勝手に計算するという関係は、すでにドイツの資本主義化の初めの時点で大幅に放棄されていた』


出典:田中洋子(2001年)『ドイツ企業社会の形成と変容−クルップ社における労働・生活・統治』ミネルヴァ書房

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