明治期の企業類型

伊牟田[1967]によると1889(明治22)年末における日本企業は以下の4類型で考えることが出来るという。

1933(昭和8)-40(昭和15)年頃でも株式会社の約35%、全企業の約75%までもが同族会社。以下の類型における大口株主縁故結合型に含まれる財閥系もまた同族会社。

  1. 大口株主広範囲集中型(多数出資者大資本)
    松方デフレ以降に勃興した鉄道、紡績、電灯、保険などの株式会社。地縁や血縁を越えて広い範囲で資金を調達するところに特徴。
  2. パートナーシップ型(1)
    大口株主縁故結合型。鉱業、造船、貿易など。
  3. パートナーシップ型(2)
    縁故結合型小企業。扇子、屏風、度量衡、タバコ、味噌、醤油など。
  4. 零細株主広範囲集中型
    養蚕、織物、生糸など在来産業。

出典
伊牟田敏充[1967]「明治中期における『会社企業』の構成−統計分析による一考察」『研究と資料』(大阪市立大学経済研究所)第25号

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