[頼光塚]
北野天満宮の西にある東向観音の中にあり。
頼光というのは源頼光のこと。
この頼光、熱病に魘(うな)されること一月。不気味なる法師が縄を頼光目掛けて投げるところを宝刀で斬りつける。その血痕を辿りて北野天満宮の北の塚に至り、塚を壊すと大きなる蜘蛛の現われたる。之は我が身を悩ましものの正体ぞ、と忽(たちま)ちに退治す。
この塚、様々に伝わりし。一つは畑の中にありし蜘蛛塚、今ひとつは船岡山南西の頼光塚なり。
時代の流れに逆らえず、何時しか人も昔を忘れる。よって今に至りて、その場所は定かならず。蜘蛛塚は上品蓮台寺に、頼光塚は東向観音にて祀られる。
写真は、之、伴氏廟也。この中に頼光塚あり。


2003.03.08(土)撮影。