[8番 清秦山西善寺] 臨済宗南禅寺派
朝、早く出すぎた。
 今日は、巡礼の3度目(10月26日)ということで張り切ったわけでもないが、横瀬への到着は8時前となった。正確にいうと、7時40分ごろ。当日の天気予報では南関東は朝から雨ということだったから、少し早めに起きて天気の様子を見た。
 すると、雨が降っていない。念のため、新聞を広げる。やはり今日の天気予報は一日中雨。雨マークでびっしりだ。天気予報が変わっているかもしれないと思って、テレビのスイッチを捻る。雨、雨、雨だ。

 しかし、外は少なくとも雨は降っていない。付け加えると雲の切れ間さえ見えるではないか。
 これで、秩父に出張らない手はない。そう、決断して出発した。この間、十数分。
 これが、早く着きすぎた原因。
 というわけで、最初の8番の西善寺は門こそ開いていたものの、当然のごとく巡礼者の姿もお寺の関係者の姿もない。つまり、完全、貸切状態でお寺を堪能することが出来た。 西善寺は本尊の十一面観世音の前で祈祷した肌着を身に着けると天寿を全うできると言い伝えられているという。そのため、西善寺の別名を「ぼけ封じ延命長寿の寺」「嫁・姑円満成就の寺」というのだと。
 この寺の見所は樹齢600年の「西善寺のコミネモミジ」。このモミジは関東を覆った幾たびかの兵乱を見守ってきたのだろう。

本尊:十一面観世音

埼玉県秩父郡横瀬町根古谷598


[6番 向陽山ト雲寺] 曹洞宗 →

 前回に行った丘を上がった7番法長寺のすぐ近くにある。
 細い道を上がったところにある。パンフレットには、武甲山が良く見えるとあるが、なるほど、曇った中にあっても良く展望することが出来た。
 参道の下には畑があり、秩父の札所は総じてそうではあるが、民家の中にあるという風情。


埼玉県横瀬町刈米1430




[9番 明星山明智寺] 臨済宗南禅寺派

 本日の3番目。8番から歩を進める。横瀬の町役場を通り過ぎて西武線の横瀬駅の駅前の案内板で位置を確認する。以前、西武秩父の駅前の交番のおまわりさんから戴いた地図は、当日も役に立ったが念のため。線路に沿って役場から遠ざかる方向、つまりは所沢の方角を行く。
 このように、念には念を入れたものの、またもや道を間違えそうになる。この点、人生と同じかもしれない。と思っていると、ここでも、前回の巡礼同様に案内板が実に心憎いところにある。
 おかげで、迷うことなく明智寺に達することが出来た。
 このお寺、病の母親を助けて暮らす兵衛という少年が老僧の言葉に従って、観音堂で『無垢清浄光、恵日破諸闇』と唱えつづけたところ「明々たる星」が母親に降り注ぎ、母親の病が治ったことに由来するという。「明々たる星」で寺号が明星山なのである。
 
埼玉県秩父郡横瀬町中郷2160


[5番 小川山語歌堂] 臨済宗南禅寺派 →

 民家の中にあるという表現がちょうどいい。角の一等地ではある。
堂宇の周りに囲いがないため、ポツンとあるという形容が似合う。しかし、侮ってはならない。門もあるし、お堂もそれなりに立派なものなのだ。
 語歌堂の名は本間孫八と旅僧に仮託した観音様が歌合わせをしたことによるという。この堂宇の由来宜しく堂宇の中で和歌でも詠じたくなる気分に誘われる。
 本尊は准胝観音。この観音様を本尊とするのは、百観音の中では西国11番上醍醐と醐歌堂だけという。

 埼玉県秩父郡横瀬町下郷6086