「囚人のディレンマ」prisoner's dilemma
ある事件の共犯者である二人の容疑者いて、別々に取調をうけて、互いに話せない状況だとする。この状況下で、取調官は、容疑者語りかける。「二つの選択肢がある。もちろん、どちらを選択しようとも自由。一つは黙秘、もう一つは自白。但し、二人とも自白すれば、4年の刑。これに対して、一人が自白し、もう一人が黙秘したら、自白した方はたった1年の刑、黙秘した方は5年の刑。もっとも、両方が黙秘すれば、二人とも2年の刑になる。」
共犯である各容疑者が置かれた状況を図示すると以下のようになる。
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容疑者 B |
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黙秘 |
自白 |
容疑者 A |
黙秘 |
(A=2,B=2) |
(A=5,B=1) |
自白 |
(A=1,B=5) |
(A=4,B=4) |
この状況下で、各容疑者が各人の利得を最大化するように行動すると、結局のとところ二人とも自白ということになり二人とも仲良く懲役4年となる。
一方で、各人が互いを思いやり黙秘という行動をとると、二人とも懲役1年という軽い刑で済む。
このように、各人が利益を求めて合理的に行為すると、かえって全体としてはもっとも不利益な選択をすることになるというのが『囚人のジレンマ』である。
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