高雄山神護寺(京都)


 別格本山。
 嵯峨野の背後に位置する三尾の一つ神護寺。
ここは、紅葉が美しい京都の中でも指折りの名所。当日(2003年11月21日)は、京都駅から出るJR西日本の9:50のバスに乗り高雄に向かう。さすがに紅葉の季節とあってバスは立っている人が出るほど。今年(2003)の京都市内の紅葉は天候が不順であったこともあって今ひとつ。所々に緑が目立つ一方で、既に散り始めていた。
さて、50分ほどで神護寺に程近いバス停である高雄に到着。ここから下りの道を行く。ずっと下りではなく、橋を渡ると登りの階段が延々と続く。疲れた頃に視線の先に神護寺の楼門が建つ。なかなかの感激もの。紅葉を楽しみに来たはずが、既に紅葉の絶景を目にする前にここで満足の感有り。

 楼門を潜ると右側に朱塗りの囲いと、その奥に鐘楼が見えてくる。そもそも、この神護寺は前身を高雄山寺と言い、愛宕山白雲寺という愛宕神社の前身とともに建立された愛宕五坊の一つ。そして、これらの五坊を建立したのは神護景雲3(769)年の宇佐八幡神託事件で帝位簒奪を目論んだ道鏡の野心を打ち砕いた和気清麻呂。和気氏は河内国の神願寺を菩提寺としていたが、それを清麻呂が造営大夫を務めた平安京の奥にある高雄山寺に合わせて神護寺とした。正式に神願寺が高雄山寺と合わさり神護寺(神護国真言寺)となる以前から弘法大師空海が唐より帰国するとすぐに入山(809年)し14年間もの間住持を務めたことで知られるように和気氏の保護のもと真言宗の揺籃の地として名を馳せた。