源氏とは,皇族が臣籍降下し,[みなもと]の姓を賜って成立した氏族である.

天皇の子孫が増えるにつれて,すべてを皇族として維持することが困難になったため,一部の皇子・皇孫が臣下に降り,姓を与えられる制度が設けられた.その際に授けられた姓の一つがであり,これを受けた者の子孫が源氏と呼ばれるようになった.桓武天皇以降,嵯峨天皇,清和天皇,宇多天皇,醍醐天皇などの皇子たちが源姓を賜ることが多く,それぞれの系統が派生していった.

源氏には大きく分けて,公家源氏と武家源氏の二つの系統がある.公家源氏は,朝廷に仕え,貴族としての地位を築いた一族である.嵯峨源氏,宇多源氏,醍醐源氏,村上源氏などがその代表であり,宮廷内で公卿としての地位を保ち,文化や政治に影響を与えた.一方,武家源氏は,武士として台頭し,日本の政治・軍事において大きな役割を果たした一族である.その中でも特に清和源氏は,日本の武士社会を形成する上で中心的な存在となった.

清和源氏は,清和天皇の孫である源経基を祖とし,その子孫が武士として各地に勢力を広げた.とりわけ河内源氏の系統が強大な勢力を築き,源頼朝は鎌倉幕府を開き,武家政権の基盤を作り上げた.さらに,室町幕府を開いた足利尊氏や,戦国時代に活躍した武田信玄,そして江戸幕府を開いた徳川家康も清和源氏の流れをくむとされ,日本の歴史において極めて重要な位置を占めている.

このように,源氏とは皇族の臣籍降下によって成立した氏族であり,公家源氏として宮廷での政治に関与した系統と,武家源氏として日本の武士政権を支えた系統に分かれる.特に清和源氏は,武士の時代を切り開き,日本の歴史を大きく動かした一族として,その名を刻んでいる.

源氏二十一流

源氏は,清和天皇を祖とする清和源氏をはじめ,多くの天皇の後裔から派生したが,その中でも特に著名なものを源氏二十一流と言う.

デザイン名字.





















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