藤原兼通
出生:延長3年[925].没年:貞元2年11月8日[977-12-20].藤原北家.従一位,関白太政大臣.贈正一位.右大臣・藤原師輔と藤原盛子との間の子.
元平親王の娘昭子女王,大江維時の娘大江皎子,有明親王の娘能子女王,平時望の娘平寛子,藤原有年の娘を妻とした.
兼通は弟の兼家に位階で遅れをとっていた.長兄で摂政の伊尹が病に倒れると,兼通と兼家は後継を巡って激しく争う.一方,冷泉天皇は右大臣藤原頼忠を内覧に据えて後継とする考えであった.参内した兼通は亡くなった妹であり,冷泉天皇の母である安子による摂関は兄弟の順にという書付を以て冷泉天皇に迫った[大鏡].この結果,兼通は内覧を許され,兄の伊尹が世を去ると大納言を経ずに内大臣に任ぜられた.のち太政大臣となる.
その死に際して,弟の兼家を右近衛大将から解き治部卿へと降格し,従兄の左大臣藤原頼忠を後継とした.
| 藤原忠平 | | | | 藤原経邦[南家] | |
| | | |
| | | | | | | | | | | | | |
| | | | | | | |
| 藤原師輔 | | | | 藤原盛子 | |
| | | |
| | | | | | | | | | | | | |
| | | | | | | | | | |
| | | | | | 藤原伊尹 | |
| | | |
| | | | | | 藤原兼通 | |
| | | |
| | | | | | 藤原兼家 | |
| | | |
| | | | | | 藤原忠君 | |
| | | |
| | | | | | 藤原安子 | |
| | | |
| | | | | | 藤原登子 | |
| | | |
| | | | | | 女 源能有室. | |
| | | |
| | | | | | 藤原怤子 | |
| | | |
系譜
- 藤原師輔 正二位,右大臣.九条右大臣,坊城大臣,九条殿.
- 伊尹 正二位,摂政,太政大臣.贈正一位.一条摂政.
- 兼通 従一位,関白,太政大臣.贈正一位.堀川殿.
- 顕光 従一位,左大臣.堀河左大臣,悪霊左府.
- 媓子 円融天皇中宮.
- 時光 従二位,中納言.
- 朝光 正二位,大納言.
- 遠光
- 正光 従三位,参議.
- 婉子 娟子とも.
- 親光 正五位下,左兵佐.
- 用光 従四位下,右京大夫.
- 安子 村上天皇中宮.冷泉天皇,円融天皇,為平親王,承子内親王,輔子内親王,資子内親王,選子内親王の生母.
- 兼家 従一位,摂政,関白,太政大臣.
- 道隆 正二位,摂政,関白,内大臣.中関白.
- 超子 冷泉天皇女御.三条天皇の母.
- 道綱 正二位,大納言.
- 道兼 正二位・関白,右大臣.贈正一位,太政大臣.粟田殿,二条殿,町尻殿,七日関白.
- 詮子 円融天皇女御.一条天皇の母.東三条院.
- 道義
- 道長 従一位,摂政,太政大臣,准三后.
- 綏子
- 兼俊 真言宗僧.円林.正暦寺開山.
- 遠量 従四位上,大蔵卿.
- 忠君 忠尹とも.正四位下,右兵衛督.
- 遠基 従四位下,左京大夫.
- 遠度 従三位,非参議.北野三位.
- 登子 重明親王室.後,村上天皇尚侍.貞観殿の尚侍.
- 女 左大臣源高明室.惟賢,俊賢の母.
- 高光 従四位下,右少将.武峯少将入道.
- 愛宮 左大臣源高明室.藤原道長室の源明子,源経房の母.
- 為光 従一位,太政大臣.贈正一位.後一条太政大臣,法住寺殿.
- 尋禅 天台座主.妙香院.権僧正.飯室和尚と号する.
- 深覚 仁和寺.勧修寺.東寺一長者.法務大僧正.東大寺別当.禅林寺と号する.
- 公季 従一位,太政大臣.贈正一位.閑院大臣.
- 怤子 冷泉天皇女御,尚侍.
- 繁子 藤原道兼室.後に,平惟仲室.
- 女 源重信室.
旧版