藤原師実

出生：長久3年[1042].没年：康和3年2月13日[1101-03-14].藤原北家九条系御堂流.従一位,摂政,関白,太政大臣.京極殿,後宇治殿.関白藤原頼通と藤原祇子との間の子.正室は土御門右大臣源師房と藤原道長の娘の尊子の間に生まれた源麗子.妻として,源頼国の娘,藤原基貞の娘,藤原永業の娘,平行親の娘,源則成の娘,平定親の娘,源顕房または源師賢の娘,藤原忠俊の娘,清円または頼円の娘.

後三条天皇は祖母である上東門院彰子の推挙により藤原教通を関白とする.外戚関係を失った藤原頼通・教通兄弟が権力闘争を繰り広げる中で,後三条天皇は摂関家の影響を排して延久の善政と称される政治改革に乗り出す.しかし,白河天皇に譲位して間も無く崩御.白河天皇も父同様に親政を目指す.

承保2[1075]年,藤原師実は,叔父の藤原教通の死去により白河天皇の関白に任ぜられる.摂関家内部での対立はここで一応の終止符が打たれたと言える.ところが,白河天皇の勢力拡大を押し止めることは出来なかった.

藤原道長

藤原頼成
[藤原北家良門流]

藤原頼通

藤原祇子

橘俊綱

覚円

藤原定綱

藤原忠綱

藤原寛子

藤原師実

源経長室

系譜

藤原道長従一位,摂政,太政大臣,准三后.
- 彰子 一条天皇中宮.後一条天皇,後朱雀天皇の母.上東門院.
- 頼通従一位,摂政,関白,太政大臣,准三宮.宇治殿.
  - 通房正二位,権大納言,右近衛大将.急病により若死.
  - 橘俊綱頼通の正室隆姫女王への配慮から讃岐守橘俊遠の養子とされる.正四位上,修理大夫.
  - 覚円法大僧正.平等院第2代執印.勝寺初代別当.宇治僧正.
  - 定綱正四位下,播磨守.
  - 忠綱頼通の正室隆姫女王への配慮から大納言藤原信家の養子とされる.正四位下,近江守,春宮亮.
  - 寛子 後冷泉天皇の皇后.四条宮.
  - 師実兄の通房の急死により嫡男とされる.従一位,摂政,関白,太政大臣.
    - 覚実園城寺.円満院.法眼.一身阿闍梨.
    - 仁源天台座主.法務大僧正.法性寺座主.日吉別当.一身阿闍梨.理智坊.
    - 師通従一位,関白,内大臣.後二条殿,二条関白.
    - 家忠従一位,左大臣.花山院左大臣.花山院家の祖.
    - 覚信興福寺別当.大僧正.頼信僧正資.一乗院本願.法務.法華寺別当.
    - 経実正二位,大納言.贈正一位,太政大臣.大炊御門家の祖.
    - 静意仁和寺.法印.徳大寺別当.嘉祥寺別当.
    - 澄真延暦寺,もしくは興福寺.悪法眼と号する.
    - 能実正二位,大納言.
    - 忠教正二位,大納言.難波・飛鳥井家の祖.
    - 仁澄園城寺.東南院.法印.
    - 尋範弘覚.興福寺別当.法務大僧正.法眼権少僧都.長谷寺別当.金峯山検校.大乗院.禅定院.内山と号する.
    - 行玄良実.天台座主.法務大僧正.牛車.青蓮院.寛慶僧正資.桂林院.法性寺座主.法成寺検校.宝荘厳院別当.法勝寺別当.
    - 増智園城寺.法務僧正.牛車.宇治.白川僧正と号する.
    - 永実園城寺.法印権大僧都.一身阿闍梨.宇治法印と号する.
    - 玄覚興福寺別当.一乗院.大僧正.中僧正と号する.
    - 忠長
    - 女 藤原基隆室
- 頼宗従一位,右大臣.高松三位中将.堀河右大臣.
- 妍子 三条天皇の中宮.枇杷殿皇太后.禎子内親王の母.
- 顕信従四位下,右馬頭.行願寺にて剃髪,比叡山無動寺にて出家.
- 能信正二位,権大納言.贈正一位太政大臣.閑院東宮大夫.
- 教通従一位,関白,太政大臣.贈正一位.大二条殿.
  - 生子 後朱雀天皇女御.梅壺女御.准三宮.
  - 真子
  - 静円園城寺.権僧正.木幡僧正.
  - 信家正二位,権大納言.山井大納言.
  - 通基正三位,侍従.
  - 歓子 後冷泉天皇皇后.小野皇太后.
  - 信長従一位,太政大臣.九条太政大臣.
  - 静覚
  - 藤原経家室
- 寛子提子,媞子.藤原道長の意図を察し自ら皇太子廃位を申し出た小一条院敦明親王妃.儇子内親王,敦元親王の母.高松殿女御.
- 威子 後一条天皇中宮.後冷泉天皇中宮の章子内親王,後三条天皇中宮の馨子内親王の母.大中宮.
- 尊子太政大臣源師房正室.
- 長家正二位,権大納言.御子左大納言,三条大納言.御子左家の祖.
- 嬉子 後朱雀天皇東宮妃.後朱雀天皇が即位する前の敦良親王時代に入内.後冷泉天皇となる親仁親王を産んで間も無く死去.
- 長信東寺長者.池辺僧正.

旧版

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