南北戦争前の時代 antebellum
歴代大統領
第9代W・ハリソン大統領[1841]→第10代タイラー大統領[1841-1845]→第11代ポーク大統領[1845-1849]→第12代テイラー大統領[1849-1850]→第13代フィルモア大統領[1850-1853]→第14代ピアース大統領[1853-1857]→第15代ブキャナン大統領[1857-1861]
略年表
- 1841年:4)ウィリアム・ハリソン大統領が在任期間1か月で肺炎により死去.副大統領からジョン・タイラー大統領[John Tyler]が昇格する.ジョン・タイラー大統領は大統領就任後にホイッグ党と対立し除名される.
9)1841年公有地先買権法[Preemption Act of 1841]成立. - 1842年:4)ドーアの反乱[Dorr Rebellion]勃発.ロード・アイランド州で白人男子普通選挙制度導入を求める人々が州議会を無視して州民代表会議を招集しT.ドーア[Thomas Wilson Dorr]を知事を選出.反乱は翌年制圧された.
- 1844年:3)望厦条約[Treaty of Wanghia]が米国と清との間で締結される.アヘン戦争[First Opium War]で英国に敗北した清が英国と締結した不平等条約と同様の条約.
12)大統領選挙.テキサス併合を訴える民主党のジェームズ・ポーク[James Knox Polk]がホイッグ党のヘンリー・クレイ[Henry Clay Sr.]を制し第11代大統領に選出される. - 1845年:3)テキサス併合承認.フロリダが準州から州に昇格.
12)テキサス併合[Texas Annexation].J.ポーク大統領が公約を実現. - 1846年:4)米墨戦争[Mexican-American War]勃発[-48/02].メキシコとの国境をリオグランデ川[Rio Grande]とする米国が国境確保のために派遣したザカリー・テイラー将軍[Zachary Taylor]率いる米軍が,メキシコ側が主張する国境であるリオグランデ川北側のヌエセス川[Nueces River]を越境.
5)米国連邦議会がメキシコに対して宣戦布告.
6)英米間でオレゴン条約[Oregon Treaty]締結.1818年以来,英米共有となっていたオレゴン・カントリー[Oregon Country]の英米国境がバンクーバー島を除き北緯49度線に平行と規定される.
8)連邦下院議員デイビッド・ウィルモット[David Wilmot]がメキシコから獲得した領土においては奴隷制[slavery]を禁じるというウィルモット条項[Wilmot Proviso]を下院に提出.下院通過なるも南部諸州議員の多い上院では否決.奴隷制をめぐる対立が表面化し南北戦争[Civil War]の伏線となる.
9)モンテレーの戦い[Battle of Monterrey].ペドロ・デ・アンプディア将軍率いるメキシコ軍がザカリー・テイラー将軍率いる米軍とモンテレーを巡って戦う.守るメキシコ軍の撤退により米軍が勝利. - 1847年:2)ブエナ・ビスタの戦い[Battle of Buena Vista].亡命していたメキシコのサンタ・アナ元大統領が帰国しメキシコ軍を率いてザカリー・テイラー将軍率いる米軍と戦うが敗れる.米国によるアルタ・カリフォルニア[Alta California]占領が確実なものとなる.
9)チャプルテペクの戦い[attle of Chapultepec]で米軍がメキシコシティを攻略.ウィンフィールド・スコット将軍[Winfield Scott]率いる米軍が海上からベラクルス [Veracruz]に上陸し攻略,続いてメキシコの首都であるメキシコシティ[Mexico City]を占領. - 1848年:1)カフエンガ条約[Treaty of Cahuenga]締結.カリフォルニアにおける停戦が成立.
2)グアダルーペ・イダルゴ条約[Treaty of Guadalupe Hidalgo]締結.米墨戦争[1846-1848]が終結.メキシコから米国へのメキシコ割譲地[Mexican Cession]は全メキシコ領の約3分の1に相当.
11)大統領選挙.現職のJ.ポーク大統領が健康上の理由から不出馬.米墨戦争の英雄であるザカリー・テイラー将軍[Zachary Taylor]がホイッグ党から推され,民主党のルイス・カス[Lewis Cass]を破る. - 1849年:1848年1月のカリフォルニアにおけるジェームズ・マーシャル[James Wilson Marshall]による金発見により,1849年に本格的にカリフォルニア・ゴールドラッシュ[California Gold Rush,1848-1855]が起こる.カリフォルニアの人口が急増.移住者はフォーティナイナーズ[49ers]と呼ばれた.カリフォルニアの自由州としての州昇格に当たり,均衡が崩れることを恐れる奴隷州が反対.
- 1850年:4)クレイトン・ブルワー条約[Treaty of Clayton-Bulwer]が米英間で締結される.パナマ地峡地帯の中立を定める.
7)テイラー大統領が消化不良により死去.副大統領のミラード・フィルモア[Millard Fillmore]が第13代大統領に昇格.
9)1850年協定[Compromise of 1850]にM.フィルモア大統領が署名.カリフォルニア州の自由州としての昇格とニューメキシコ准州[New Mexico Territory]・ユタ准州[Utah Territory]を新設し奴隷州昇格の余地を設けた.この協定に対し,生前のテイラー大統領は反対していた.南北対立は回避される. - 1852年:12)大統領選挙.ホイッグ党のウィンフィールド・スコット将軍[Winfield Scott]を民主党のフランクリン・ピアース[Franklin Pierce]が破り第14代大統領に選出.両者とも米墨戦争の英雄.選挙での敗北を契機として,ホイッグ党は南北の党派内対立激化により分裂していく.
- 1853年:7)マシュー・ペリー東インド艦隊司令長官[Matthew Calbraith Perry]率いる米艦隊が浦賀来航.
12)ガズデン購入[Gadsden Purchase].メキシコよりヒラ川の南・リオグランデ川の西の地域を購入.アメリカ大陸横断鉄道南部ルートの確保などが目的.ガズデン[James Gadsden]は担当大臣. - 1854年:3)日米和親条約[Japan–US Treaty of Peace and Amity]締結.米側全権はマシュー・ペリー,日本側全権は林復斎.下田と箱館を開港.
5)カンザス・ネブラスカ法[Kansas-Nebraska Act]制定.1820年ミズーリ妥協を撤廃.1820年ミズーリ妥協で規定された境界線の北側に位置するカンザス準州[Territory of Kansas]とネブラスカ準州[Nebraska Territory]の新設と奴隷制決定の判断を準州民に委ねることを定める.
7)共和党[Republican Party]誕生.カンザス・ネブラスカ法に対して北部で激しい反発が起こる.民主党・ホイッグ党・自由土地党から奴隷制に反対する勢力が結集.北部ではホイッグ党[Whig Party]の党員のほとんどは共和党か外国人排斥のノーナッシング党[Know Nothing,American Party]に移り,南部ではホイッグ党は消滅. - 1856年:5)血のカンザス事件[Bloody Kansas]勃発.隣のミズーリ州の奴隷制支持者[Border ruffian]がカンザス準州の議会選挙で投票し奴隷制支持派多数の議会を誕生させ[1855/03],さらに奴隷制反対派の拠点であるローレンスを襲撃[Sacking of Lawrence].
11)大統領選挙.奴隷制拡大に反対する共和党と南北分裂を危惧する民主党との戦いとなる.ノーナッシング党から指名された第13代大統領ミラード・フィルモアと共和党のジョン.C.フレモント[John Charles Frémont]が票を分かつ形となり,民主党のジェームズ・ブキャナン[James Buchanan,Jr.]が第15代大統領に選出された. - 1857年:ドレッド・スコット判決[Dred Scott Decision].黒人奴隷ドレッド・スコットがアメリカ合衆国憲法上の地位を争った訴訟.連邦最高裁は黒人に提訴権はないこと,ミズーリ妥協は違憲であることを判示.北部自由州は猛反発し南北戦争への誘因となる.
- 1858年:7)日米修好通商条約[Treaty of Amity and Commerce Between the United States and the Empire of Japan]締結.
8)リンカーン=ダグラス論争[Lincoln–Douglas debates].イリノイ州選出上院議員選挙における共和党候補エイブラハム・リンカーン[Abraham Lincoln]と現職上院議員スティーブン・ダグラス[Stephen Arnold Douglas]による7回にわたる奴隷制を論点とする討論が行われる.ダグラスが勝利し上院議員となるが,論争の中でJ.ブキャナン大統領が進める奴隷制支持の連邦奴隷法を批判.これにより南部の民主党の離反が出るようになっていく. - 1859年:10)奴隷制度廃止運動家ジョン・ブラウン[John Brown]がハーパーズ・フェリー[Harpers Ferry]の武器庫を襲撃.襲撃は失敗し,ジョン・ブラウンは逮捕され絞首刑となる.
- 1860年:11)大統領選挙.民主党は南北に分裂し北部民主党からS.ダグラス,南部民主党[Southern Democrats]から現職の副大統領ジョン・ブレッキンリッジ[John Cabell Breckinridge]が擁立される.さらに,連邦維持を掲げるホイッグ党保守派が結成した立憲連合党[Constitutional Union Party]のジョン・ベル[John Bell],共和党からはA.リンカーンが立候補.
A.リンカーンが第16代アメリカ合衆国大統領として選出される.
12)奴隷制擁護派の急先鋒であるサウスカロライナ州が連邦離脱を宣言.
米国史
Vita brevis, ars longa. Omnia vincit Amor.
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