平氏

平氏は,桓武天皇を祖とする桓武平氏,仁明天皇を祖とする仁明平氏,文徳天皇を祖とする文徳平氏,光孝天皇を祖とする光孝平氏の四流からなる.

太田亮の『姓氏家系大辞典』によれば,平氏という名称の起源は,「其の名称は、平安京[京都市]の本訓タヒラより起る.蓋し桓武帝,此の都を建てられしにより,其の子孫,此の氏を賜ひしならん.」とされる.

桓武平氏

桓武天皇の皇子である葛原親王・万多天皇・仲野親王・賀陽親王の子孫.

葛原親王流

高棟流・善棟流・高望流の三流からなる.

葛原親王の長男・高棟王は天長2[825]年に臣籍降下し平高棟となり,その子孫は高棟流と呼ばれる.

葛原親王の次男・善棟王も同じく天長2[825]年に臣籍降下し平善棟となり,その子孫は善棟流と呼ばれる.

葛原親王の三男・高見王の子の高望王は寛平元[889]年に宇多天皇の勅命により臣籍降下し平高望となり,その子孫は高望流と呼ばれる.平高望は昌泰元[898]年に上総介に任じられ,子の国香・良兼・良将を連れて下向.そのまま土着.坂東に武士団を形成する.

万多親王流

桓武天皇の子の二品・万多親王の子・正躬王[799-863]の子である住世王らが,貞観4[862]年に臣籍降下し平姓を賜姓されたことに始まる.

仲野親王流

桓武天皇と藤原大継の娘・藤原河子との間に生まれた.仲野親王は娘の班子女王と光孝天皇との間に生まれた定省親王が宇多天皇として即位したことで外戚となった.貞観16[874]年,仲野親王の子・茂世王が上奏し,その子である好風らを臣籍降下させ平好風となったことを起源とする.

仁明平氏

仁明天皇の孫である雅望王・行忠王・惟時王を祖とする平氏.

文徳平氏

文徳天皇の皇子・惟彦親王を祖とする平氏.

光孝平氏

光孝天皇の孫である式膽王・興我王・忠望王を祖とする平氏.