虎御前山城
小谷城址から北国街道を挟んで虎御前山城址を眺める。私はどちらかというと山よりも川や海という性質である。しかし、小谷も虎御前山も琵琶湖の傍にある。清々しい風が湖から颯爽と吹いてくるという心地よさがある。この爽やかさの中でお市の方とその子らが過ごしたかと想像する。
しかし、お椀を伏せたような見事な形の山は浅井氏の籠る小谷城を攻めるには絶好の地であった。事実、1570(天亀元)年に織田信長は虎御前山に砦を築き、引き続いて、1572(天正元)年の再度の戦いにおいて前線基地としての築城をなしている。
目と鼻の先とはこの事に尽きる。眼前にある山城に、織田信長が陣を布き、佐久間信盛が、羽柴秀吉が、そして、柴田勝家が構えたのだ。