須磨寺

神戸にある源平所縁の真言宗須磨寺派の古寺。淳和天皇が勅命によって建立した背山恵偈山北峰寺が前身とされる。886(仁和2)年には光考天皇の勅命で開祖聞鏡上人が須磨上野山福祥寺を開山している。1169(嘉応元)年に源頼政が本尊の聖観世音菩薩・薬師如来と寺領を寄進した時には房舎十二宇あったというから、その時点で隆盛を誇っていたのだろう。一の谷の合戦で戦場の近くだったということで被害を蒙る。鎌倉時代の大火で多くを失うが後に再興。室町時代の1427(応永34)年には赤松氏を討った細川氏の兵が乱入し本堂・惣門を残し境内が破壊という災難に見舞われる。その後も、再興と破壊の歴史を繰り返し、1602(慶長7)年に豊臣秀頼と片桐元且によって本格的に復興される。