1839年

世界最初の実用的写真技法であるダゲレオタイプ(daguerr?otype)が8月19日にフランス学士院で発表される。ダゲレオタイプはフランス人画家のルイ=ジャック=マンデ・ダゲール(Louis Jacques Mand? Daguerre)の発明によるもので、フランス人物理者フランソワ・アラゴー(Fran?ois Jean Dominique Arago)が発表した。ダゲールはジョセフ・ニセフォール・ニエプス(Joseph Nic?phore Ni?pce)とともに写真術の研究をしていた。ニエプスは最初の写真術であるヘリオグラフ(heliograph)を発明し、1825年に『馬を引く男』と題するオランダ彫刻を再現した写真を撮っている。

しかし、ヘリオグラフは露光時間が8時間も掛り実用性に乏しかった。この点、ダゲールの発明した銀板写真(daguerreotype)は露光時間を1-2分に短縮することに成功した。

銅板に銀メッキをしたものを感光材料(photographic sensitive material)として用いたもので湿板写真(wet plate)が確立するまで標準的な技法であった。


1838年から1839年の間に撮影されたダゲールによる写真『Boulevard du Temple』。

【参考】映像の3つの意味
カメラ・オブスクーラ