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皮を剥がれた牛
「レンブラントによる筆の魔術とさえ形容されているのが、この皮を剥がれた牛。
なんて言ったって、画題が皮を剥がれた牛。とても美しいとは言えない題材ではある。しかし、この絵はその画題を見事に芸術にまで昇華させている。
19世紀初頭から今に至るまで傑作とされ続けている。
この絵は独創的な作品とはされてきたけど、このような題材そのものはレンブラントの独自なものではない。事実、16世紀以来のネーデルランド絵画には同じようなものが見受けられる。
そのようなネーデルランド絵画との違いは何かって?
人によって表現は違うけど、ネーデルランド絵画は人生の儚(はかな)さを表現しているのに対してレンブラントの皮を剥がれた牛はどこか磔刑のキリストをイメージしているじゃないかって、そういう意見がある」
「皮を剥がれた牛」
1655年。板。油彩。94×69cm。
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