キリストの捕縛

バロック期のイタリア人画家カラヴァッジオ[Michelangelo Merisi da Caravaggio,1571/9/29-1610/7/18]の作品.キリストの捕縛[The Taking of Christ]はローマ貴族であるマッテイ家[House of Mattei]のチリアーコ・マッテイによる依頼で1602年頃に描かれた.ヨハネ[ohn the Evangelist],イエス・キリスト[Jesus Christ],イスカリオテのユダ[Judas Iscariot],3人の兵士が描かれている.ランタンを持っている右側の聖ペトロはカラバッジョ自身とも言われる.マッテイ家は古代ローマのパパレスキ家[Papareschi]の流れを汲み,ローマ教皇庁[the papal curia]においても重要な地位を得ていた.この絵は所有者のマッテイ家自身によって,誤って,カラヴァッジオ追従者として知られるオランダの画家ヘラルト・ファン・ホントホルスト[Gerard van Honthorst,1592/11/4-1656/4/27]の複製作品とされた.オリジナルは無くなったとされていたのである.そして,複製品としてマッテイ家により売却され,何人かの手を経てアイルランドのダブリン[Dublin]のリーソン・ストリートにあるイエズス会教会に寄進された.この絵が複製品ではなくオリジナルだと確認されたのは1990年代初頭.

カラヴァッジオミラノ公国[Duchy of Milan,1395-1797]出身でローマで活躍.しかし,殺人を犯しローマを逃げ出し放浪の末にトスカーナのモンテ・アルジェンターリオ[Monte Argentario]で生涯を閉じた.


'Beauty is truth, truth beauty,'-that is all Ye know on earth, and all ye need to know.
John Keats,"Ode on a Grecian Urn"

INDEX





















- - - -