十便図のうち釣便図

江戸時代の文人画家として知られる池野大雅[享保8-05-04〔1723-06-06〕/安永5-04-13〔1776-05-30〕]による作品.国宝に指定されている.

池野大雅の弟子で鳴海宿の豪農であった下郷学海が池野大雅に制作を依頼.池野大雅が与謝蕪村に呼びかけて,与謝蕪村の紙本淡彩十宜図と池野大雅の紙本淡彩十便図が制作されたという.

画題となっている『十便十宜』というのは清の劇作家である李漁こと李笠翁[万暦39-08-07〔1611-09-13〕/康熙19-01-13〔1680-02-12〕]が別荘生活における便[便利なこと]と宜[よいこと]を歌った詩である『十便十二宜詩』のうち,残っている十便十宜のこと.

川端康成記念会所蔵.