クリスタン・フォン・ハムレ

クリスタン・フォン・ハムレ[Kristan von Hamle, Christan von Hamle]は13世紀半ばに活躍したチューリンゲン出身の中高ドイツの吟遊詩人.

マネッセ写本ではウインチで城に引き上げられている姿が描かれている.これは『籠の中のウェルギリウス伝説』をモチーフとするもの.共和政ローマの詩人であるウェルギリウス[Publius Vergilius Maro,70BCE-10-15/19BCE-09-21]は,皇帝の娘とも愛妾ともされるルクレティアに恋をして彼女の家で密会をすることとなり籠で引き上げてもらう.しかし,籠が宙吊りとなって閉じ込められ人々の嘲笑の的になったというもの.

チューリッヒの貴族であるマネッセ家の注文により,1280年頃から1330年頃に掛けて制作された,中世ドイツの代表的な140人の宮廷詩人の詩歌を収録した大型豪華彩飾写本であるマネッセ写本[Codex Manesse oder Die Manessische Liederhandschrift]の一部.