姥ヶ池@2021/12/18
東京都台東区花川戸にある.姥ヶ池伝説の舞台.かつて,花川戸一帯は浅茅ヶ原と呼ばれ,荒野が広がっていたという.但し,奥州街道が通っていたため旅人の往来はあった.その浅茅が原に荒屋があり老婆と娘が暮らしていた.老婆は旅人に宿を貸し旅人が眠りに付くと,石枕で頭を叩き割って命を奪って金品を我が物としていたという.その所業を改めさせようと,浅草寺の聖観世音菩薩が稚児に姿を変え老婆に宿を求める.老婆はいつもの通り宿を貸し稚児の命を奪った.はずであった.ところが,自らが手を掛けたのは自分の娘だったのである.その後の浅茅ヶ原の鬼婆[一つ家の鬼婆]については幾つかの話が伝えられている.娘を殺したことを悔いて姥ヶ池に身を投じたとも仏門に入ったともいう.
こうした伝説を持つ姥ヶ池は1891[明治24]年に埋め立てられ,浅草寺の二天門から東の花川戸公園に人工池として名を残している.池の中には福寿稲荷大明神と姥宮沙竭羅龍王を祀る祠が立つ.
人工池として復元されている分,於玉ヶ池よりは往時を偲べる.
今日も街角をぶらりと散策.
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