個体変異

「生殖細胞が作られるときに遺伝子の組み替えが起るので、両親とまったく同じものが子に伝えられるわけではありません。おまけに、雄の精子と雌の卵子がいっしょになるのですから、そうしてできあがった子は、両親のそれぞれと少し違う個体になります。同じ両親から生まれた実の兄弟姉妹であっても少しずつ異なるのは、このためです。そこで、同じヒトという種であっても、キタキツネという種であっても、それぞれの個体は少しずつ異なった遺伝的構成を持つことになります。このようにしてできた少しずつの違いを、個体変異と呼びます。」
長谷川真理子『進化とはなんだろうか』岩波ジュニア文庫。

そうか、そうか。だから源 頼朝と義経はあんなに違うんだ。義経は美男子というイメージがあるけど色白出っ歯。一方の頼朝は北条政子が通いつめたほどの凛々しい。。。。うん、待てよ。頼朝と義経では母親が違うじゃないか。源 義朝と絶世の美女である常盤御前との間に生まれたのは今若、乙若。今若は後の阿野全成で、乙若は義円だ。阿野全成といえば醍醐寺に預けられて醍醐の悪禅師なんて呼ばれたほどの暴れん坊。この辺りの行動っていうのは鞍馬に預けられていた義経と似ている。間違っても頼朝にはない。鎌倉幕府が出来てからは頼朝から駿河国阿野庄を与えられて阿野を名乗った。軽率にも兄に弓を引くということはしなかった訳だ。ここは同じ同母兄弟でも義経とは異なる。だけど、頼朝亡き後の北条氏独裁に対して勝ち目のない戦を仕掛けて常陸の国に配流の上、下野国で処刑。。という悲劇の顛末は似ていなくもない。