1184年1月8日 戊戌
上総の国の一宮(玉前神社)の神主らが、亡き上総介広常が生きていた時に宿願があったと届け出る。前年に上総介広常は一宮に謀反の宿願を行った疑いありということで、梶原景時によって誅されている。広常は甲を一宮の宝殿に納めたという。武衛(鎌倉殿)が使節を派遣してその宿願を見させる。果たして広常に謀反の心があったかどうか。派遣したのは藤判官と一品(昌寛)房らで甲を二つ持たせた。これは広常が奉納した甲は既に神宝であるために単に差し出せとは言えないため二つの甲で広常の甲と取り替えることで神の祟りはないだろうという趣旨。