御霊神社(鎌倉)
「御霊神社と聞くとおどろおどろしいけど、御霊というのは五霊のことで、古くから鎌倉に本拠地を構えていた坂東八平氏の大庭、梶原、長尾、村岡、鎌倉の五氏の祖先の霊を祀った神社なんだよね」
「そうだけど、後で、後三年の役の武勇で名高い鎌倉権五郎景政だけを祀るようになっているの」
「その権五郎の命日の9月18日に面掛け行列という珍しい行事が行われることでも有名」
「もともとは鎌倉を開拓した坂東八平氏諸氏の氏寺のようなものだったんだけど、源 頼朝が御霊神社が鳴動したので奉幣したという記事が『吾妻鏡』に出てきているのよ。
これは、心霊現象なんかじゃなくて、つまりは鎌倉に昔から住んでいた人々が鎌倉幕府に対して地位向上を求めたということを表現したものではないのかって言われているのよ」
「御霊神社への奉幣というのは、結局は地域の氏子の手に渡るということを考えるともっともな考え方だよね」