絵画のコード
「絵画作品というのは、一定の約束事(コード)によって描かれているということに十分な配慮が必要だと言いたいのです。つまり『絵画史料』の解読にあたっては、そこに表現されているモノやコトが、どのような約束事による記号表現であるのか、ないしはイディオム(慣用表現)であるのかを把握しなければなりません。(中略)『絵画史料』の記号表現ないしイディオムというのは、時代や社会をこえて使われる場合もありますが、その大部分は、やはり当該社会に適合した、ないしはその時代にふさわしい表現として用いられているのでした。」
黒田日出男(2007),「絵画史料で歴史を読む」,筑摩書房