二元論
「心」を初めて科学的に捉えたデカルトは、人間を相互に独立、固有の心と身体から成り立つ存在とする「心身二元論」を唱え、身体は機械であり、心は思惟するものとした。
心身二元論は、「身体と心がどのようにつながっているのか」という問題を提起した。この問題への解答として、デカルトは人間を心=非物質と身体=物質として、相互独立としつつも動物霊気なるものが血液にのって体を制御しているとした。しかし、「全く違った存在である精神と物質がどのようなメカニズムで相互作用を成し遂げているのか」という問題、「心身問題」と呼ばれる問題は課題として残されることになった。この「心身問題」は「心とは何か」「行動とは何か」という現代にまで続く2つの論点を抱えている。
デカルトに対して、ホッブスは心も身体と同様に、物質的実体、即ち機械であるとする「心身一元論」、人間機械論を提唱した。
図は四国八十八箇所第五十八番仙遊寺。