京都市南区唐橋西寺町にある陰陽師安倍清明の子孫土御門家所縁の鎌達稲荷神社。鎌達は「けんたつ」と読む。奈良時代の711年の創建とも、飛鳥時代の創建とも伝わる。稲荷の総本社である伏見稲荷よりも古い歴史を持つために元稲荷と呼ばれる。但し、現在では、その規模はあまりにも小さい。

平安京に遷都されてからは土御門家が天下泰平と五穀成就を鎌達稲荷神社で祈願したという。祀るのは倉稲魂大神(豊受大神[伊勢外宮])と猿田彦大神。

ちなみに、ここには平安時代の比叡山の呪術僧にして不動明王の眷族護法童子を使役する浄蔵も祀っている。浄蔵は一条戻橋で父親を蘇らせたことで知られる。戻橋というのは、この浄蔵の故事による。