ロココ

18世紀ヨーロッパ美術の中心地はイタリアではなく絶対王政を確立したフランスに移っていった。ルイ14世の晩期にはヴェルサイユ宮殿の荘厳な装飾から繊細なものが好まれるようになる。そんな中、ヴァトーは古典主義やバロックとは異なった上品な雅宴画を確立し、それがロココの萌芽となる。ロココという言葉自体は岩を意味するロカイユ(rocaille)に由来する言葉。それが貝殻や植物の蔦をモチーフとする曲線を多用する繊細なインテリア装飾を指すようになり、自由で繊細、左右不均衡で曲線といった特徴を持つものをロココと呼ぶようになった。オルレアン公フィリップによる摂政時代(1715-23)、ルイ15世様式(1723-74)、ルイ16世様式(1774-89)の3期に分かれるが、中心はルイ15世時代。代表的な画家には、ブーシェ、シャルダン、フラゴナール、新古典主義への橋渡しとなったブルーズなどがいる。

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