葛飾北斎(1760-1849)の富嶽三十六景の一つ。先日、掛川に行ったが、久しぶりに見事な富士山を新幹線の車窓から眺めることが出来た。ところで、凱風快晴に描かれている富士山を見る側の人が富士山だと認識することが出来るのは線によって形作られたエッジによって空と富士山とを領域として分離されているからに他ならない。輪郭があるからこそ富士山だと分る。輪郭がない状態をガンツフェルトと呼んだりするが、丁度、霧に覆われた富士山を思い浮かべるといい。見えそうで見えない。そこにあるのにはっきりとは見えない。絵の場合は、現実ではガンツフェルトにあるものをガンツフェルトでなくすと言う事も出来る。

2006.06.10の掛川への途上に車窓から見えた富士山