書写山円教寺
西の比叡山とも呼ばれる西国27番札所。姫路市の奥まった場所にある。地元の人にとっては書写山と言えば通じる。全国的にはトム・クルーズと渡辺謙が共演した『ラストサムライ』のロケ地として知られている。966(康保3)年に性空上人が入山し普賢菩薩の絵像をかかげ庵を結んだのが始まりという。985(寛和元)年には法華三昧堂が建立され伽藍の整備が着手。986(寛和2)年には花山法皇が参詣。圓教寺の寺号を受け勅願寺となっている。この頃に寺院としての大きな一歩を踏み出したと言えるだろう。987(永延元)年から常行堂、多宝堂、大経所、経蔵、鐘楼などが次々と建立されていった。西の比叡山と呼ばれている通り、この円教寺は天台宗寺院。天台宗の中でも比叡山、大山、書写山で三大道場とされている。私の大好きな鎌倉時代にも寺勢は衰えることなく食堂の建立などがなされている。
写真の大講堂は国指定の重要文化財。釈迦如来を本尊、普賢菩薩、文殊菩薩を脇侍として祀っている。大講堂は食堂、常行堂とともにコの字型に並んでいるのが最大の特徴。
上の写真は食堂(じきどう)。こちらも国指定の重要文化財で室町時代の建立。本尊として僧形の文殊菩薩を祀っている。1174(承安4)年に後白河法皇の勅願で建立されたのが始まり。食堂というのは文字通り僧侶達が食事をした場所でもあるが、同時に勉学の場でもあった。桁行15間、梁間4間もあることから別名を長堂とも言われる建物は二階建。周囲に腰縁を巡らせているところ、一箇所を覗いて蔀戸である点など、この建物だけでも堪能できる。
境内のチェックポイント:姫路城主榊原家墓所
2006.11.23訪問。