佐野厄除大師
2007年1月2日に初詣。昨年は鎌倉で初詣だったが今年は日光と佐野で2箇所の初詣。佐野へは夕刻に付いた。わざわざ佐野へと赴いたお目当ての一つが藤原秀郷末裔の佐野氏が建立したと伝えられる大門。そのお目当てをじっくりと鑑賞する間もなく参拝の列の人ごみに飲み込まれて怒涛の30分。初詣だから致し方なし。何せ、佐野厄除大師は川崎大師、西新井大師とともに、関東の三大師と呼ばれる場所。それでも、以前、川崎大師に初詣に行った際はもっと混んでいた。
祀られているのは慈恵大師良源上人(912−985)こと元三大師。1月3日生まれなので元三大師。別名を角大師とも。994(永観2)年に京で疫病が流行った折に、角大師の姿でもって疫病神を追い払ったとの伝説に基づく。さて、その元三大師を祀る佐野厄除大師の本当の名は春日岡山惣宗寺。もとは、春日岡山という場所にあった。藤原秀郷の曽祖父の藤成が春日岡の地に藤原氏の祖神である春日明神を祀った場所という。その後、平 将門の乱(承平・天慶の乱;940)を鎮圧した藤原秀郷が平将門降伏の誓願に応える形で、奈良の宥尊上人を招いて朱雀天皇の勅額を戴いて建立(944)した春日岡山惣宗官寺が直接の起源。建立当初は法相宗だったが、その後、保元・平治の乱による関東の混乱によって荒廃。鎌倉時代になって鎌倉幕府第9代執権北条貞時と藤原氏所縁の僧(寺伝によると俊海)によって天台宗として1297(永仁5)年に復興された。
なお、徳川の紋があるのは、このお寺が江戸幕府3代将軍徳川家光の参詣を受けるなど徳川家と縁が深かったことによるという。