石上神宮
天理駅で降りて駅前でレンタサイクルを借りる。山の辺の道を自転車で疾走しようという魂胆。この石上神宮は大原野神社(京都市西京区)、大神神社(奈良県桜井市)、大和神社(奈良県天理市)、広瀬神社(奈良県北葛城郡河合町)、龍田大社(奈良県生駒郡三郷町)、住吉大社(大阪市住吉区)とともに、いわゆる二十二社の中七社。
天理本通りを真っ直ぐに突き抜けて少し進むとすぐ石上神宮。その地は布留と呼ばれている。延喜式神名帳には「石上坐布都御魂神社」と記されており、古代の軍事氏族の物部氏の神社として知られている。そう、軍事の神様を祀っているのだ。物部氏が蘇我氏との抗争に敗れてからは衰退を余儀なくされ国家の神社ではなく布留郷の鎮守として再出発。しかし、さすがは古代の軍事部族の物部一族の末裔が祀った神社だけはある。一時は興福寺に対して布留一揆で対抗。こうした一揆に対して織田信長が攻略し神領の没収という最悪の事態にまで陥った。それでも神社が廃されることはなく現在にまで続いた。物部一族が滅ぼされた後も全国各地、特に東国で根を降ろしていったように。