金沢貴船神社

武家屋敷の名残を色濃く残す長町を後にして、足軽資料館の前を曲がる。

少し霧雨が降ってきたものの、傘を差すほどではない。

しばらく歩くと、鞍月用水が見えてくる。

地図では、その鞍月用水の傍に貴船神社が鎮座していることになっている。

さて、その名からして、どのような神社であろうかと、いろいろと想像を巡らす前にお社が目の前に見えてくる。

京都の貴船神社の末社であるという金沢の貴船神社。意外にも小さい。境内と呼べる場所に人が二人と立ってはいられないだろうという程。

縁切りと縁結びの両方に利益があるという、その社は、しかし、異界との入り口を金沢の現代の地である香林坊と歴史の地である長町の境目に開けているような錯覚をもたらす。


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