静岡県>浜松>井伊谷
浜松の井伊谷にある後醍醐天皇の皇子・宗良親王を祀る神社。
井伊谷は徳川家の譜代大名である井伊家の発祥の地。宗良親王は北畠親房に奉じられて海路によって陸奥に向う途上、暴風雨に遭い遭難。遠江に漂着。井伊道政を頼った。井伊家は南北朝時代に南朝方の征東将軍として派遣された宗良親王を迎え入れて室町将軍家に対抗した。
しかし、高師泰・仁木義長らの足利軍との激戦の結果、井伊谷城が落城するに至って、越後、越中を転戦し、信濃の香坂高宗に迎え入れられ、大河原を本拠地とした。
そして、一時は新田義興とともに鎌倉を占領し征夷大将軍となるも室町将軍側によって駆逐され信濃・大河原に戻っている。その後、信濃守護小笠原長基による攻撃を受けて劣勢に立たされ、さらに、1369年には関東管領上杉朝房による攻撃によって大河原の地をも追われた。
この関東管領による攻撃によって討死したという説もある。
しかし、井伊谷の地には宗良親王が晩年を過ごし薨去したという伝承が残されている。
ちなみに、井伊谷宮の本殿の背後には宮内庁の管理している宗良親王の御墓がある。
井伊谷宮の隣に井伊家の菩提寺である龍譚寺がある。井伊家と南朝との間の関係を物語っている。